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2006 年度 実績報告書

クロロフィル代謝の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18370013
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 歩  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10197402)

研究分担者 田中 亮一  低温科学研究所, 助手 (20311516)
キーワードクロロフィル / 常緑 / 代謝 / 光合成 / 葉緑体
研究概要

クロロフィルは光エネルギーを捕捉し、光合成において中心的な役割を担っている。しかし、クロロフィル代謝は、単に光合成に必要なクロロフィルを合成し、不要なクロロフィルを分解するだけでなく、様々な生理的な役割を持っていることが知られてきた。クロロフィル代謝を制御すると植物は常緑化や老化を引き起こす。また、クロロフィル代謝中間体は葉緑体シグナル分子として働き、葉緑体タンパク質をコードする核遺伝子の発現を制御し、また細胞死を誘導することが明らかになってきた。本研究において、(1)クロロフィル代謝に関わる全遺伝子を単離同定し、(2)この成果を基にクロロフィル代謝経路を確定し、(3)クロロフィル代謝の調節機構と(4)クロロフィル代謝中間体の流れを明らかにし、(5)クロロフィル代謝の生理的役割の解明を目指した。
(1):クロロフィルb還元酵素の同定に成功した。
(2):クロロフィルb還元酵素を大腸菌で発現させ、酵素活性を調べたところ、クロロフィルb、クロロフィリドb、フェオフィチンb、フェオフォリビドbのフォルミル基をヒドロキシメチルに転換することができた。クロロフィルb還元酵素は7Cにフォルミル基をもった様々なクロロフィルを分解系に送り込む役割を担っていることが示された。
ジビニル還元酵素を大腸菌で発現させ、その基質を調べたところ、クロロフィリドaであることが明らかになった。その結果、クロロフィル代謝系を一部改訂し、ジビニルプロトクロロフィリドa→ジビニルクロロフィリドa→モノビニルクロロフィリドaであることを示した。
(3):フェオフォルビドaがチラコイド膜を破壊することを示した。クロロフィルb還元酵素がLHCの分解を引き起こすことが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of oxidative stress on chlorophyll biosynthesis in cucumber (Cucumis sativus) cotyledons.2006

    • 著者名/発表者名
      P.D., Aarti, Tanaka, R., Tanaka, A
    • 雑誌名

      Physiol. Plant. 128

      ページ: 186-197

  • [雑誌論文] Chlorophyll metabolism.2006

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, A., Tanaka, R.
    • 雑誌名

      Curr Opin Plant Sci. 9

      ページ: 1678-1682

  • [雑誌論文] Chloroplast NAD Kinase is Essential for Energy Transduction Through the Xanthophyll Cycle in Photosynthesis2006

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, H., Watanabe, A., Tanaka, A., 他4名
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. 47

      ページ: 1678-1682

  • [雑誌論文] Identification of Chlorophyll a Oxygenase in Prochlorococcus Genome by Comparative Genomic Approach.2006

    • 著者名/発表者名
      Satoh, S., Tanaka, A.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. 47

      ページ: 1622-1629

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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