研究課題
光合成は、光エネルギーを利用して生物に利用可能なエネルギーに転換する機構である。ほとんどすべての生命活動は最終的には光合成によって作られたエネルギーに依存している。このような光合成を行う生物は、原核生物の光合成細菌から、シロイヌナズナのような陸上植物まで広く分布しているモデル植物のシロイヌナズナでは、全てのクロロフィル合成酵素が単離され、またクロロフィル分解酵素の多くも同定された。しかし、それらの制御機構に関しては、いまだ不明のままである。20年度は、クロロフィルの分解の調節とその生理的役割について研究を行った。クロロフィルbの分解は、Chlorohyll b reductaseによって最初の反応が進行することが明らかになっている。しかし、クロロフィルbは通常Light-harvesting chloro-phyll a/b-protein complex (LCHII)として、複合体を形成している。そこで、chloro-phyll b reductaseがタンパク質に取り込まれたクロロフィルbを基質にするのか、または複合体のタンパク質部分が分解した後、遊離したクロロフィルbを基質にするのかを明らかにすることを目的として、in vitroのアッセイ系を組み立てた。その結果、単離LHCIIをChlorohyll b reductaseで処理すると、クロロフィルbが7-hydroxymethyl chlorophyll aに転換されることを見出した。このことは、chlorophyll b reductaseが、タンパク質に結合したクロロフィルbを基質にすることを示している。この結果は、Chlorophyll b reductase欠損株ではLHCIIが分解しないこととよく一致している。
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