研究概要 |
根のペルオキシソームの役割を明らかにするため、根で特異的に発現しているペルオキシソーム酵素遺伝子としてコードするシロイヌナズナポリアミンオキシダーゼ遺伝子AtPA02,AtPA03,AtPA04を解析した。これらのポリアミンオキシダーゼとRFPを融合させたタンパク質を発現させた結果、これらのポリアミンオキシダーゼはすべてペルオキシソームに局在することが明らかとなった。根におけるこれら遺伝子発現量の解析から、AtPA04が主に発現していることが判明した。AtPA04を大腸菌で発現させ、その酵素反応を調べたところ、スペルミンからスペルミジンへの変換を触媒することが明かになるとともに、AtPA04欠損シロイヌナズナではスペルミン量が増加しスペルミジン量が減少していたことから、AtPA04はポリアミンの逆行経路に関与していることが明らかとなった。 一方、ペルオキシソームの特徴あるプロテオーム解析を推進しておりその一貫として、ダイズ子葉から高純度のペルオキシソームを調整する方法を確立した。高純度ペルオキシソーム画分の2次元ポリアクリルアミド電気泳動とペプチドーマス解析により92ケのタンパク質を同定した。その中で30ケのタンパク質がペルオキシソームに局在すると判断された。その中には脂肪酸β酸化、グリオキシル酸経路、光呼吸グリコール酸回路の酵素が含まれていた。現在さらにペルオキシソーム膜画分を構成するタンパク質の同定と機能解析を行っている。
|