1)ペルオキシソームに局在するタンパク質は、ペルオキシソーム移行シグナルPTS1あるいはPTS2をもっている。シロイヌナズナのゲノム解析から、256のペルオキシソーム局在タンパク質の候補遺伝子の存在が予想された。これら遺伝子の組織特異的発現をマイクロアレイで解析した結果、発芽黄化種子ではグリオキシソーム関連の酵素遺伝子、光合成組織では緑葉ペルオキシソーム関連の酵素遺伝子の特異的発現が観察された。更に根及び子葉に特異的な一群のペルオキシソーム酵素遺伝子の発現が判明した。 2)シロイヌナズナのゲノム解析の結果、シロイヌナズナから15種類のペルオキシソーム形成に関わるPEX遺伝子の存在が予想された。これらのPEX遺伝子の機能を明かにするため、それら遺伝子のRNAi抑制株を作製し、そのペルオキシソームの形態生理機能を解析した。その結果、これらのPEX遺伝子はペルオキシソームへのタンパク質移行に関わるものとペルオキシソームの形態形成に関わるものに大別された。 3)根のペルオキシソームの役割を明らかにするため、根で特異的に発現しているペルオキシソーム酵素遺伝子としてコードするシロイヌナズナポリアミンオキシダーゼ遺伝子を解析した。その結果、根のペルオキシソームはポリアミン代謝を担っていることが明かとなった。 4)ペルオキシソームの特徴あるプロテオーム解析を推進しておりその一貫として、ダイズ子葉から高純度のペルオキシソームを調整する方法を確立した。高純度ペルオキシソーム画分の2次元電気泳動とペプチドーマス解析により92ヶのタンパク質を同定した。その中で30ヶのタンパク質がペルオキシソームに局在すると判断された。その中には脂肪酸β酸化、グリオキシル酸経路、光呼吸グリコール酸回路の酵素が含まれていた。
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