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2006 年度 実績報告書

トランジットペプチドを要しない色素体へのタンパク質輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18370023
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

榊原 均  独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, グループディレクター (20242852)

キーワードサイトカイニン / 植物 / タンパク質 / 土壌微生物 / 葉緑体 / アグロバクテリウム
研究概要

1.Tmrの色素体移行がToc-Tic系を介しているのか否かの検討
試験管内での葉緑体移行効率が高いフェレドキシン(Fd)、グルタミン合成酵素(GS)の試験管内での転写・翻訳系を構築し、Tmrとともにそれらの葉緑体移行効率を複数回にわたり比較した。その結果、Fd, GSの葉緑体内への移行は認められたのに対しTmrでは全く認められず、Tmr通常のToc-Tic系を介して輸送されるタンパク質とは異なる経路を介することを支持する結果を得た。また、Tmr-GFP融合タンパク質を一過的に発現させる系を構築し、温度依存的に膜輸送系に異常をきたす変異体シロイヌナズナ(rot32)での発現パターンを解析した。その結果、変異体内でGFP蛍光は葉緑体内にほとんど認められなかったものの、葉緑体自体の形態にも大きな異常が見られることも判明した。今後、別の変異体や膜輸送阻害剤などの影響も併せて検討する必要がある。
2.サイトカイニン合成酵素の立体構造からみたプラスチド移行に必要な領域の絞り込み
Agrobacterium tumefaciensのTi-plasmid上にコードされるTzsについてその構造を決定し、Tmrや植物型のイソペンテニルトランスフェラーゼ(IPT)との一次構造上の保存性の高いアミノ酸配列領域と低い領域の立体的配置を調べた。その結果、Tmr, Tzs間で異なるアミノ酸はタンパク質表面上に偏り無く分布しており、単純な比較による領域の絞り込みは困難であることが判明した。今後はTmr/Tzs間での広い領域を置換したキメラタンパク質を用いて検討する必要がある。また、高等植物型IPTと土壌細菌型IPT間での基質特異性の違いの決定に関わるアミノ酸残基を同定した。これらの残基は活性中心付近に集中しており、プラスチド移行能力との関連は低いものと推察された。
3.Tmrのプラスチド移行能力の進化的な保存性の検証
Tmr-GFP融合タンパク質を発現する系を構築し、ヒメツリガネゴケに導入した。現在形質転換体を選抜中である。選抜出来次第蛍光顕微鏡にてGFPの局在場所を特定する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Cytokinins : Activity,biosynthesis and translocation2006

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Sakakibara
    • 雑誌名

      Annual Review of Plan Biology 57

      ページ: 431-449

  • [雑誌論文] Interactions between nitrogen and cytokinin in the regulation of metabolism and development2006

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Sakakibara et al.
    • 雑誌名

      Trends in Plant Science 11

      ページ: 440-448

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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