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2007 年度 実績報告書

トランジットペプチドを要しない色素体へのタンパク質輸送機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18370023
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

榊原 均  独立行政法人理化学研究所, 生産機能研究グループ, グループディレクタ (20242852)

キーワードサイトカイニン / 植物 / タンパク質 / 土壌微生物 / 葉緑体 / アグロバクテリウム
研究概要

(1)サイトカイニン合成酵素の立体構造からみたプラスチド移行に必要な領域の絞り込み
葉緑体移行が確認されているTmrと、同じく土壌微生物のIPTでありながらも葉緑体移行能力を持たないTzsのキメラタンパク質を多種類作成し、それらのGFP融合タンパク質をパーティクルガン法により植物細胞内で一過的に発現させることにより、Tmrの葉緑体移行に必要な領域の絞り込みを行った。その結果、Tmrタンパク質のアミノ末端から12番目から24番目のアミノ酸領域に葉緑体移行に必要なアミノ酸残基もしくはその高次構造が存在することが明らかとなった。Tzsの結晶構造を明らかにし、この構造をもとに絞り込み領域のタンパク質分子上での分布を調べたところ、この領域の一部は基質結合領域であるP-ループを含み、タンパク質表面にも露出している残基もあった。この領域がタンパク質の葉緑体への移行の認識に関わっているものと予想された。以上の結果をin vivoで検証するために、Tmr12Tzs,Tmr24Tzs,Tmr68Tzs3種類のDEX誘導系のシロイヌナズナの形質転換体を作出し選抜中である。形質転換体が得られ次第、キメラタンパク質の細胞内局在性をウェスタン解析により検討する予定である。
(2)Tmrの色素体移行経路の検討
Tmrに対するモノクローナル抗体を用いて免疫電子顕微鏡法によりTmrのプラスチド局在の再確認を試みたが、力価が十分ではなく、移行途中のタンパク質の検出には至らなかった。また土壌細菌の1種Rhodococcus fasciansのIPT(Orf4)についてGFP融合タンパク質を用いて細胞内局在を調べたところ、Tzsと同様に細胞質に局在することがわかったが、TzsとOrf4では明らかにTzsは葉緑体の近傍に存在していることがわかった。つまり、TzsはTmrがもつ色素体移行能力の一部を保持していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structural insight into the reaction mechanism and evolution of cytokinin biosynthesis2008

    • 著者名/発表者名
      Hajime Sugawara
    • 雑誌名

      Proceedings of National Academy of Science, USA 105

      ページ: 2734-2739

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of cytokinin biosynthesis,compartmentalization and translocation2008

    • 著者名/発表者名
      Naoya Hirose
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany 59

      ページ: 75-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サイトカイニンの生合成と新規活性化経路2007

    • 著者名/発表者名
      榊原 均
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 52

      ページ: 1322-1329

  • [学会発表] Regulation of cytokinin metabolism:a new insight into the hormone function2007

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Sakakibara
    • 学会等名
      19^<th> International Conference on Plant Growth Substances
    • 発表場所
      Puerto Vallarta,Mexico
    • 年月日
      2007-07-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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