研究課題/領域番号 |
18370026
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
村田 隆 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 准教授 (00242024)
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研究分担者 |
長谷部 光泰 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 教授 (40237996)
日渡 裕二 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教 (10373193)
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キーワード | 微小管 / 細胞分裂 / 細胞板 / 植物細胞 / 隔膜形成体 |
研究概要 |
中心体を持たない植物細胞がどのようにして微小管を作るのかは長年の謎であった。我々は、表層微小管列の微小管は既存の微小管から斜め40°の枝分かれ状に伸び出すことにより生じることを見いだした。この微小管の枝分かれ形成においては、微小管重合核として知られているγチューブリンが微小管に結合し、新たな微小管を作ることがわかっている。それでは、枝分かれによる微小管の供給は微小管の再編成にどのように関与しているのだろうか。また、微小管の供給が微小管の再編成に関与しているなら、γチューブリンの微小管への結合はどのようにして制御されているのだろうか。本研究計画においては、1)細胞周期の進行、外的環境の変化により微小管の再構築が起こる時の微小管およびγチューブリンの挙動および2)その役割を解析し、3)γチューブリン結合タンパク質の同定と解析を行うことにより、植物微小管の構築機構の全貌に迫る。 今年度は、細胞質分裂における隔膜形成体の発達時に、微小管枝分かれがどのような役割を行っているかを解析した。タバコ培養細胞から隔膜形成体を単離し、γチューブリンの局在と微小管の枝分かれを電子顕微鏡で調べた。隔膜形成体は微小管枝分かれ構造を含み、枝分かれの場所にはγチューブリンが局在していることがわかった。 枝分かれした微小管は細胞板近傍で架橋することが前年度の研究成果によりわかっている。枝分かれした微小管がどのようにして隔膜形成体の発達に関与するか調べるため、ヒメツリガネゴケAPI1遺伝子破壊株の解析を行った。API1は隔膜形成体微小管の架橋に働くキネシン様タンパク質である。API1遺伝子破壊株では約2割の細胞が多核となった。この結果は枝分かれした微小管が細胞質分裂に働くことを支持する。
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