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2006 年度 実績報告書

錐体の光応答特性決定の分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 18370030
研究機関大阪大学

研究代表者

河村 悟  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80138122)

キーワード桿体 / 錐体 / 視物質 / トランスデューシン / 光感度 / 時間分解能 / 明所視 / 暗所視
研究概要

我々には暗所でも明所でもものが見える。それは、暗所で働く桿体と、明所で働く錐体の2種類があり、両者に光感度の違いがあるのが1つの大きな理由である。桿体は薄暗いところで働くが、時間分解能は悪く、時々刻々の光の変化に追随することができない。一方錐体は明るいところで働き、時間分解能がよく、素早く動く物体を検出するのに適している。本研究では、光感度の違い、また、時間分解能の違いの2つに焦点を当て、桿体と錐体のどのような分子レベルの違いによってこのような性質の違いが生じるのかを明らかにすることを目的とする。
平成18年度は以下について検討した。
1.錐体でトランスデューシンの活性化効率が低い理由の検討
錐体ではトランスデューシンの活性化効率が低いことを既に明らかにしている。そこで、それは錐体視物質側に理由があるのか、錐体トランスデューシン側に理由があるのかを検討した。精製した錐体膜試料を得ることが出来る利点を生かし、桿体膜、または錐体膜に存在するトランスデューシンを桿体視物質、または錐体視物質で活性化した。その結果、錐体視物質は桿体トランスデューシンを高い効率で活性化したが、桿体視物質では錐体トランスデューシンを殆ど活性化できなかった。従って、錐体でトランスデューシンの活性化効率が低いのは、錐体トランスデューシンに理由があるとの結論を得た。
2.桿体と錐体でのcGMP合成能の比較
錐体では応答の回復は桿体よりも素早い。このように応答が素早く回復するのは、cGMP分解系が素早く停止するのと同時にcGMPの供給も素早いからであると予想される。桿体膜、錐体膜を使ってcGMP合成能を比較した。その結果、錐体でのcGMP合成能は桿体よりも遙かに高いことが分かった。今後、錐体のcGMP合成酵素の1分子あたりの活性と存在量を明らかにし、錐体でのcGMP合成能が高い理由を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Cloning and characterization of Xenopus dicalcin, a novel S100-like calcium-binding protein in Xenopus eggs.2007

    • 著者名/発表者名
      Naofumi Miwa
    • 雑誌名

      DNA Sequence 18巻(印刷中)

  • [雑誌論文] Molecular mechanisms characterizing cone photoresponses.2007

    • 著者名/発表者名
      Shuji Tachibanaki
    • 雑誌名

      Photochemistry and Photobiology 83巻1号

      ページ: 19-26

  • [雑誌論文] GRK (G-protein-coupled receptor kinase) 特に GRK1 と GRK7 の系統進化2006

    • 著者名/発表者名
      松川淑恵
    • 雑誌名

      生体の科学 57巻5号

      ページ: 464-465

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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