研究課題/領域番号 |
18370031
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
早川 洋一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50164926)
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研究分担者 |
島田 公夫 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (30001663)
相沢 智康 北海道大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (40333596)
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キーワード | 昆虫 / growth-blocking peptide(GBP) / サイトカイン / GBPレセプター / チロシンリン酸化 / 血球細胞 / シグナル伝達 / 細胞膜タンパク質 |
研究概要 |
昆虫の幼虫発育阻害活性をもつ生理活性ペプチド(Growth-blocking peptide、GBP)が多機能性を示す昆虫サイトカインであることが最近明らかになった。アミノ酸25残基という単純なペプチドであるにも拘らず、多彩な生理機能を発揮するこの昆虫サイトカインの活性発現分子機構を明ちかにすることが、本研究の最終目標である。 アワヨトウ幼虫血球細胞からGBPレセプター候補として単離された分子量77kDaタンパク質(P77)は、レセプター結合実験によってGBPと直接結合しないことが明らかになった。したがって、P77はGBPレセプターそのものではないものと結論付けた。しかし、このP77は細胞膜貫通ドメインを1個持つ膜タンパク質であり、単離した血球細胞をGBPと共にインキュベーションすることによって、インキュベーション開始後1分以内にそのチロシン残基がリン酸化される。また、その後、30分以内に速やかに脱リン酸化される。このリン酸化はGBPによる血球活性化能と明らかな相関があり、リン酸化が観察されるのはGBP感受性のあるプラズマ細胞のみであることを確認した。つまり、P77はGBPレセプターではないとしても、GBPによる活性化シグナルを血球細胞内に伝達する機能を担っていることは間違いない。すなわち、少なくとも単独ではGBPレセプター活性がないレセプター複合体の一成分か、あるいは、レセプターの下流に位置する情報伝達系の一成分であると考えられる。そこで、単離した血球細胞に異物であるバクテリアを作用させてP77のチロシンリン酸化を測定したところ、生体内で観察されるよりも30分程度遅れてリン酸化蛾起こること、さらに、このin vitroの系に血清成分を添加するとリン酸化が早まることを確認した。すなわち、バケテリアは血球細胞に直接作用するのではなく、血清中で活性型GBPを産生し、このGBPが血球のP77のチロシンリン酸化を誘起することが明らかになった。
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