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2009 年度 実績報告書

連鎖地図ベースでのハイマツ・キタゴヨウ交雑帯の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18370033
研究機関千葉大学

研究代表者

綿野 泰行  千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192820)

キーワード連鎖地図 / EST / AFLP / ハイマツ / キタゴヨウ / 浸透性交雑 / グラフィカル・ジェノタイプ / ゲノム
研究概要

本研究では、連鎖地図ベースで、ハイマツとキタゴヨウの交雑帯における遺伝子浸透のパターンを解析することを目的とする。研究のベースとなる連鎖地図は、ハイマツとキタゴヨウのF1雑種と推定される個体から採集した種子を利用して作成した。裸子植物の種子の胚乳は雌性配偶体であるため、1個体から得られた種子における対立遺伝子の1:1での分離を利用して、連鎖地図の作成が可能となる。
連鎖地図作成のための分子マーカーとしてEST、SSRおよびAFLPマーカーを用意した。AFLPは優性マーカーであるため、遺伝子型のタイプミスが起こりやすい。タイプミスを除く目的で、連鎖地図作成に用いた96個の種子胚乳遺伝子型データをSTRUCTURE (Pritchard et al.2000)のlinkage modelで解析し、父親由来と母親由来のアリルを区別した。この結果を援用してミスタイプと考えられる遺伝子座を検出して、取り除いた。新しいデータセットで連鎖地図を作製したところ、以前よりも低いLOD値設定でも連鎖群を分離する事が可能となった。最終的に、LOD4.2、θ<0.30の基準で13個の連鎖群に64個のESTマーカーを含む438個のマーカーを配置することができた。
また、本研究で作成されたESTマーカーをロシアのバイカル湖におけるハイマツとシベリアマツの交雑帯の解析に用いた。3個の種特異的EST、父性遺伝のcpDNA、そして母性遺伝のmtDNAをマーカーとして解析した結果、ハイマツが常に母方として雑種を形成していることが分かった。また雑種は全てF1であり、浸透性交雑は起きていない事が示唆された。日本におけるハイマツとキタゴヨウの交雑でもハイマツが常に母方となっており、一方向性の交雑不和合性が存在し、交雑の方向性を決定している可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Incongruence among mitochondrial chloroplast and nuclear gene trees in Pinus subgenus Strobus(Pinaceae)2009

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui, Suwa, Sawada, Kato, Ohsawa, Watano
    • 雑誌名

      Journal of Plant Reserch 122

      ページ: 509-521

    • 査読あり
  • [学会発表] Hybrid zones between Pinus pumila and P. parviflora var. pentaphylla, a model system for studying introgressive hybridization of tree species.2009

    • 著者名/発表者名
      Watano, Y
    • 学会等名
      Syposium on East Asian Plant Diversity and Conservation 2009
    • 発表場所
      CAS, Beijing, China
    • 年月日
      2009-09-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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