• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

菌根性のキノコ類における分子情報を活用した生物学的種の認識と宿主特異性の進化

研究課題

研究課題/領域番号 18370035
研究機関首都大学東京

研究代表者

村上 哲明  首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (60192770)

研究分担者 横山 和正  滋賀大学, 教育学部, 教授 (50024948)
キーワード菌根菌 / オニイグチ類 / 生物学的種 / PCR-RFLP / 核DNA / ミトコンドリアDNA / 隠蔽種 / 宿主特異性
研究概要

菌根性のキノコ類であるオニイグチ類を材料にして、そのDNAの塩基配列解析をすることにより、この群に含まれるDNAタイプを認識する。このようにして認識されたオニイグチ類の各DNAタイプが異なる生物学的種かどうかを、複数のDNAタイプが共存している産地においてDNAタイプ間にどの程度の遺伝子流動があるか核遺伝のPCR-RFLPマーカーを用いて検証する。さらに、オニイグチ類の菌根の菌類と植物それぞれのDNAを解析することで、どのような組合せで共生しているのかを明らかにし、菌根菌オニイグチ類の真の宿主特異性を明らかすることが本研究の目的である。
本年度は、京都市吉田山の山林で、オニイグチ類およびその菌根の採集を行い、ミトコンドリアDNAと核DNAの塩基配列を解析したところ、。5つのDNAタイプが認められた。そのうち多数の子実体(キノコ)サンプルが得られた3つのDNAタイプについて、核DNAにコードされているRNAポリメラーゼ遺伝子とグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素遺伝子のPCR-RFLP遺伝マーカーを作成し、各DNAタイプ内、及びDNAタイプ間の遺伝子流動の程度を調べた。その結果、異なるDNAタイプ間では、全く遺伝子流動がないことがわかった(複数タイプの核DNAマーカーをヘテロにもつ個体が全く検出されなかった)。一方、同じDNAタイプに属する個体の間ではランダム交配がおこっている(ハーディワインベルグ平衡にある)こともわかった。これにより、ミトコンドリアDNAと核DNAの塩基配列の違いによって認識されたオニイグチ類のDNAタイプは、同所的集団においてもそれぞれ別々のメンデル集団を形成し、別の生物学的種として自然界に存在していることを強く示唆する結果が得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 植物の進化-キノコ類の隠蔽種とその宿主特異性2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤博俊
    • 雑誌名

      遺伝別冊 20号

      ページ: 213-218

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi