研究課題/領域番号 |
18370044
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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研究分担者 |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
二木 杉子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00403014)
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キーワード | 基底膜 / 細胞外マトリックス / ラミニン / インテグリン / テトラスパニン / ネフロネクチン |
研究概要 |
(1)インテグリンによる基底膜分字の識別機構:基底膜の主要な接着分子であるラミニンには、α鎖の異なる5種類のアイソフォームが存在する。我々は既にα5鎖およびα4鎖を含むアイソフォームの発現系を構築しているが、今回これに加えてα1鎖(ラミニン-111)、α2鎖(ラミニン-211)、α3鎖(ラミニン-332)を含むアイソフォームの発現系を構築した。発現させたアイソフォームは各α鎖に対する単クローン抗体を用いて精製した。また、基底膜に局在するRGD型接着分子であるネフロネクチン、MAEG、QBRICKの組換え蛋白質の発現系も併せて構築し、C末端に付加したFLAGタグを利用して各蛋白質を精製した。一方、これらの接着蛋白質を認識する細胞側受容体であるインテグリンに関しても、α5β1、α8β1、αvβ1、αvβ3、αvβ5の発現系を構築した。α8β1に関しては、ネフロネクチンを含む様々なRGD型接着分子に対する結合親和性を測定し、α8β1がネフロネクチンに高い特異性をもって結合することを明らかにした。 (2)基底膜結合型インテグリンを介するシグナル伝達機構の解析:ラミニン結合性インテグリンはテトラスパニンCD151と安定な複合体を形成することが知られている。我々はsiRNAでCD151をノックダウンすると、ラミニン上での細胞形態が変化し、細胞遊走が亢進することを見出した。また、CD151をノックダウンした細胞では、c-Src、パキシリン、FAKのチロシンリン酸化が低下していた。インテグリン活性化抗体TS2/16を用いてインテグリンを強制的に活性化しても低下したチロシンリン酸化は回復しないことから、CD151の作用点はインテグリン自身のリガンド結合活性の制御ではなく、インテグリンより下流のシグナル伝達経路にあると推定される。
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