研究課題
基盤研究(B)
シグナル伝達に重要な役割を果たしているリン脂質キナーゼのホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)にはα、β、γアイソザイムとγ635、γ661、γ687スプライシングバリアントが存在する。このPIP5Kの分子多様性を明らかにするために、それぞれのPIP5Kアイソザイムの活性調節機構と生理機能について解析を進めてきた。その結果、以下の知見が得られた。1.PIP5Kγ661はAP-2複合体と相互作用して、シナプス小胞のエンドサイト-シスを制御する:PIP5Kγ661はAP-2複合体と特異的に相互作用して活性化され、海馬神経細胞におけるシナプス小脳のリサイクリングに必要であることを明らかにした。2.PIP5KβはKIF2と相互作用して、海馬神経細胞における軸索伸長を負に制御する:PIP5KβはKIF2と特異的に相互作用し、PIP5Kβの脂質キナーゼ活性とKIF2のマイクロチューブル分解活性が共に増大し、その結果、マウス海馬神経細胞の軸索伸長を負に制御することを明らかにした。3.PIP5K活性化因子の低分子量G蛋白質ARF6はPIP5Kのキナーゼコアー領域(KCD)に結合する:申請者はPIP5Kの活性化因子としてARF6を同定したが、その結合部位は不明であった。この点を解析した結果、 ARF6はPIP5Kアイソザイム間で相同性の高いKCDに結合することを明らかにした。2.PIP5Kアイソザイムのノックアウトマウスの作製とその解析PIP5Kβとγのノックアウトマウスは作製されており、前者はアレルギー反応を負に制御し、後者は神経機能に重要であることが明らかにされている。そこで、PIP5Kαのノックアウトマウスを作製したところ、本マウスは健常であり、生存に必須の分子ではないことが明らかとなった。
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