研究課題/領域番号 |
18370064
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
平嶋 尚英 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10192296)
|
研究分担者 |
田中 正彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60267953)
田所 哲 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (20389109)
|
キーワード | アレルギー / シグナル伝達 / アクティブゾーン / 開口放出 / マスト細胞 / 免疫学 / 分泌細胞 / ラフト |
研究概要 |
平成19年度は、アクティブゾーン形成に必須の蛋白質であるELKSがマスト細胞のエクソサイトーシスを正に制御していることを明らかにした。そこで平成20年度は、その制御機構を明らかにするために、ELKSの細胞内動態、ELKSと相互作用する分子の探索、ELKSの強発現系の解析等を行った。 その結果、ELKSはエクソサイトーシスを誘導する刺激前には細胞質に存在するが、刺激により細胞膜の方へ移動することが、免疫染色法とELKSと蛍光タンパク質YFPのキメラタンパク質を用いた実験から明らかとなった。また、ELKSと相互作用する可能性が考えられる、RIM、liprinについて免疫沈降法により、分子間相互作用を調べたが、マスト細胞内での相互作用は認められなかった。一方で、プルダウンアッセイにより、ELKSと相互作用する分子を沈降させ、それをSDS-PAGEで解析したところ、刺激前には相互作用しないが、刺激によりELKSと相互作用をするようになる分子量の異なる2種類のタンパク質を見出した。現在このタンパク質の特定を行っている。2つのうち低分子量のタンパク質はこれまでにELKSとの相互作用が報告されていない分子量であり、これを特定することは、マスト細胞のエクソサイトーシス機構の解明だけでなくELKSの機能やその発現機構に大きく貢献するものと思われる。 また、ELKSの共発現系を用いて、分泌顆粒の動態を解析した結果、細胞の形態、刺激前後の分泌顆粒の動態は、コントロールとの顕著な差異は認められなかった。 今後マスト細胞に発現するELKS以外のアクティブゾーンタンパク質を強発現した場合の、細胞形態や分泌小胞の動態を追究する必要がある。
|