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2006 年度 実績報告書

新規tRNA-タンパク質複合体の探索と機能解析-tRNAの一生の全貌解明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 18370069
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉久 徹  名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (60212312)

研究分担者 遠藤 斗志也  名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (70152014)
キーワード核酸 / 細胞内局在 / RNA-タンパク質複合体 / 生合成 / 微生物 / tRNA
研究概要

本年度は(1)新たな顕微鏡下でのRNA検出法の開発と、(2)新規tRNA結合因子の探索を中心に解析を進めた。
1新たなRNAの検出法の開発では、オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズとDNA polymeraseによる3'-末端伸長を利用し、3'-末端配列特異的にRNAを検出する方法(Oligonucleotide-dirccted 3'-terminal extension of RNA法)を確立した。この方法は、RNAの3'末端の数塩基の違いを識別して特定のRNAを検出することができ、この手法を用いてtRNAの3'末端部のCCA配列が短縮化する変異であるcca1-1変異株中で、CCA配列の欠落したtRNAが特異的に核内に蓄積し、正常な配列を持ったtRNAは細胞質に留まることを明らかにした。他方、malachite green結合性aptamerを用いた蛍光RNAタグによる特異的なRNAの検出に関しても検討を行い、タグ配列を含むRNAがゲル上で特異的にmalachite greenを結合して蛍光を発することを確認した。現在、これがtRNAのイントロン部分に導入可能かに関して検討を加えている。
2新規tRNA結合因子の探索に置いては、まず、野生型の酵母より調製した全tRNAを固相に固定化し、これに結合するタンパク質群の同定を行った。tRNAへの結合が既知であるcEF1Aやenolaseなどのタンパク質に加え、Hsp70の一種であるSsa2pが固定化tRNAレジンに結合することがわかった。この結合はATP感受性であり、Hsp70ファミリー中、近縁であるSsa1pはあまりtRNAレジンに結合しないことから、Ssa2pが直接もしくはこれに結合した何らかの因子を介してtRNAを認識していることが明らかとなった。さらに、Δssa1株、Δssa2株でtRNAの細胞内挙動を観察したところ、Δssa2株では特異的にtRNAの栄養枯渇時の核内輸送亢進が見られないことが明らかとなった。現在、Ssa2pがどのような因子を介してtRNAを結合しているのかに関して検討を進めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Cytoplasmic splicing of tRNA in Saccharomyces cerevisiae2007

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshihisa, C.Ohshima, K.Yunoki-Esaki, T.Endo
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12

      ページ: 285-297

  • [雑誌論文] tRNA, new aspects in intracellular dynamics2006

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshihisa
    • 雑誌名

      Cell. Mol. Life Sci. 63

      ページ: 1813-1818

  • [雑誌論文] tRNAの成熟化と細胞内ダイナミクス-tRNAの一生における新展開2006

    • 著者名/発表者名
      吉久徹
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素増刊「RNAと生命」 51

      ページ: 2568-2573

  • [雑誌論文] 核内tRNAの生理的意義2006

    • 著者名/発表者名
      吉久徹, 高野晃, 遠藤斗志也
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素増刊「細胞核の世界」 51

      ページ: 2232-2234

  • [図書] タンパク質の一生集中マスター 細胞における成熟・輸送・品質管理2007

    • 著者名/発表者名
      遠藤斗志也, 吉久徹, 森和俊, 田口英樹
    • 総ページ数
      25(146)
    • 出版者
      タンパク質の一生集中マスター 細胞における成熟・輸送・品質管理

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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