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2007 年度 実績報告書

膜脂質非対称性が制御する細胞内小胞輸送と細胞極性

研究課題

研究課題/領域番号 18370074
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 一馬  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (60188290)

研究分担者 鎌田 このみ  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (80312354)
山本 隆晴  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (80312346)
キーワード細胞極性 / 脂質の非対称性 / 細胞内小胞輸送 / 酵母 / 細胞骨格
研究概要

すべての細胞は極性化しており、細胞の極性形成は必須な細胞機能である。また、がん細胞では細胞極性が異常となることが知られており、極性形成は発がんの観点からも重要である。一方、細胞膜リン脂質の分子種が脂質2重層の細胞外側と細胞質側で分布濃度を異にすることが知られており、膜脂質の非対称性と呼ばれている。
私達は、出芽酵母をモデル系に用いて、細胞極性形成を制御する新しい遺伝子Cdc50を見出し、このCdc50が、膜リン脂質を細胞膜外側から細胞質側へ輸送するアミノリン脂質トランスロケース型ATPase(Drs2)と膜上で複合体を形成していることを明らかにしてきた。私達は今年度、Cdc50-Drs2と相同なLem3-Dnf1/2が細胞の極性成長の方向変化を制御していることを明らかにし、論文発表した。さらに本年度は以下の研究成果を得ることができた。
1、細胞の極性形成部位においてphosphatidylethanolamine(PE)が露出する事が知られているが、このPE露出に必要な遺伝子群を単離した。これらの遺伝子は細胞極性形成に関与することが知られており、PEの細胞膜外層への輸送との関わりを検討している(田中、鎌田担当)
2、Lem3-Dnf1/2を制御する蛋白質リン酸化酵素Fpk1/2を単離して機能解析し、論文が先頃受理された。現在Fpk1/2の細胞膜における新しい細胞機能を見出しつつあり、その解析を進めている(田中、山本担当)
以上の結果から、リン脂質非対称性の、細胞極性制御や新しい機能について明らかにし、今年度も着実な成果をあげることができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Protein Kinases Fpk1p and Fpk2p are Novel Regulators of Phospholipid Asymmetry.2008

    • 著者名/発表者名
      Nakano K., et. al.
    • 雑誌名

      Mol Biol Cell. (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transbilayer Phospholipid Flipping Regulates Cdc42p Signaling during Polarized Cell Growth via Rga GTPase-Activeting Proteins.2007

    • 著者名/発表者名
      Saito K., et. al.
    • 雑誌名

      Dev Cell. 13

      ページ: 743-751

    • 査読あり
  • [図書] 酵母のすべて 系統、細胞から分子まで 8章8 出芽における細胞極性形成2007

    • 著者名/発表者名
      大隅良典
    • 総ページ数
      252-256
    • 出版者
      シュプリンガー・ジャパン株式会社
  • [図書] バイオとナノの融合I新生命科学の基礎 第15章 細胞の膜リン脂質非対称性の役割2007

    • 著者名/発表者名
      北海道大学COE研究成果編集委員会
    • 総ページ数
      193-207
    • 出版者
      北海道大学出版会

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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