研究課題/領域番号 |
18370075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中山 啓子 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60294972)
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研究分担者 |
石田 典子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10361073)
中谷 雅明 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70422095)
原 賢太郎 東北大学, 大学院医学系研究科, COEフェロー (60400248)
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キーワード | β-TrCP2 / 血管リモデリング / in situ hybridization / ノックアウトマウス |
研究概要 |
ユビキチンリガーゼであるF-boxタンパク質β-TrCP2/Fbw1b(以下β-TrCP2)のノックアウトマウスの表現型を解析し、個体の発生・分化における生物学的機能について検討を行った。 β-TrCP2ノックアウトマウスは、胎生8.5日より成長が停止し、胎生9.5日では、心嚢や頭部のバルーン状の拡張が見られた。この時、血管内皮細胞に特異的に発現するPECAM-1の免疫染色を行うと、卵黄嚢での血管のリモデリング障害や背側大動脈系の不整などが観察され、血管形成に異常があることが示唆された。 そこで胎生8.5日齢のノックアウト胎児の病理学的検索を行う目的で薄切標本を作製し、H&E染色を行った。胎生8.5日齢では、特に胎児の後部で、核の凝縮を伴った強いアポトーシス像が観察されたが、これは胎児頭部では見られなかった。このことから胎児の後半部での異常が胎生8.5日以降の成長障害の起因となっていることが示唆された。 そこでβ-TrCP2の胎児期での発現部位を特定するためにβ-TrCP2のcDNAをprobeとしてin situ hybridizationを行ったが、少なくともmRNAの発現は体軸に対して前後差は無く、表現型の出現はβ-TrCP2の発現部位によって規定されているわけではないことが判明した。 また、β-TrCP2の相同分子であるβ-TrCP1についても発現部位の同定をin situ hybridizationおよび定量的PCR渥で行ったが、β-TrCP1およびβ-TrCP2いずれも精巣と脳に強く発現しており、分子特異的な発現臓器および発達段階における発現時期は認められなかった。
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