研究課題
基盤研究(B)
セプチンは進化的に保存された重合性GTP結合蛋白質ファミリーであり、微小管系/中間径フィラメント系/アクチン系に次ぐ細胞骨格系を構成する。しかし、微小管やアクチンの重合・脱重合機構や機能が詳細に研究されているのに対し、セプチンが自己集合・形状変化・脱重合する際の制御機構や生理機能には未知の領域が多い。高等動物のセプチン系は、アクチン系や微小管系と協調して細胞分裂や小胞輸送などに関わる一方、悪性腫瘍におけるセプチン遺伝子増幅や転座、神経変性疾患におけるセプチン蛋白の異常凝集が報告されているが、詳細は謎に包まれている。本基盤研究は小グループによる短期間のプロジェクトではあったが、分子レベル/細胞レベル/個休レベルでの多面的アプローチにより、セプチン系の生理的・病理的意義とその背景となる分子基盤の一端を明らかにすることに成功した。本研究の主要な成果は1)培養細胞を用いてセプチン分子のダイナミクスを定量解析するFRAP系を確立し、細胞膜直下のセプチン動態を変化させる培養条件、セプチン変異体、関連蛋白質の同定に成功したこと(田中ら、投稿準備中)、2)微細形態学的手法によってセプチン分子の詳細な細胞内分布を明らかにしたこと(萩原ら、改訂中)、3)Sept4遺伝子欠損マウスを利用してセプチン系の生理機能と病理学的役割の一部を解明したことである(猪原ら、Neuron 2007;祝迫ら、J Hepatology 2008)。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Journal of Cell Biology 180
ページ: 295-303
Journal of Hepatology 未定(印刷中)
Neuron 53
ページ: 519-533
Journal of Hepatology (in press)
In The Septins (eds. J.Pringle, and P. Hall) John Wiley & Sons (in press)