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2008 年度 実績報告書

転写コリプレッサー複合体による細胞増殖と分化の制御メカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 18370093
研究機関国立長寿医療センター(研究所)

研究代表者

津田 玲生  国立長寿医療センター(研究所), 老化機構研究部, 室長 (30333355)

研究分担者 山崎 泰豊  国立長寿医療センター(研究所), 老化機構研究部, 流動研究員 (90435876)
キーワード細胞増殖 / G1期抑制 / シグナル伝達 / ショウジョウバエ / E2F / ユビキチンリガーゼ / 転写コリプレッサー / ポリコーム群
研究概要

多細胞生物の分化制御過程において細胞増殖と分化の制御が重要であると考えられている。この内、G1期における細胞周期の制御は、癌化や幹細胞の分化にも関わる重要な問題を含んでいる。これまでの研究から、転写コリプレッサー複合体の一つであるebiがG1期の抑制に関わることを突き止めた。本研究課題はebiによるG1期抑制の分子メカニズムの解明を目的として研究を行った。
研究成果
(1)EbiによるE2Fの発現制御
ebiの変異体ではE2FおよびG1抑制因子(rbf,p21,rux)の発現が減少していることが確かめられた。このメカニズムとしてはEbiがポリコーム群の機能に拮抗している結果であることを突き止めている(投稿準備中)。
(2)EbiによるE2F標的遺伝子発現の抑制
これまでの研究からEbiは転写コリプレッサーとして機能していることを見つけている(Tsuda et al.,EMBO J.)。そこで、生化学的な解析を行った結果、EbiはRBFと複合体を形成していることが確かめられた。この結果から、ebiはE2Fの標的遺伝子発現を抑制していることが予想され、real-time PCRにより解析を行ったところ、CG3105がebiの変異で発現上昇していることが確認された。
(3)EbiによるE2Fの安定性制御
これまでにE2FはG1期で安定性が制御されていることが明らかになっていた。そこで、EbiによるE2Fの安定性を検討した結果、Ebiの発現上昇に伴い、E2Fの安定性が減少することが確かめられた。詳しい解析の結果、EbiはE2Fに対するユビキチンリガーゼとして機能していることが示唆された。
以上の結果からEbiは(1)PcGの機能調節、(2)転写コリプレッサーとしての機能、(3)ユビキチンリガーゼとしての機能、という多様な作用様式でG1期の進行を制御していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dual function of Src in the maintenance of adherens junction during tracheal epithelial morphogenesis2008

    • 著者名/発表者名
      Shindo, M., Wada, H., Kaido, M., Tateno, M., Aigaki, T., Tsuda, I., Hayashi, S.
    • 雑誌名

      Development 135

      ページ: 1355-1364

    • 査読あり
  • [学会発表] ショウジョウバエNRSF/REST様因子 charlatan の翻訳後修飾と核内局在の調節機構2008

    • 著者名/発表者名
      Young-Mi Lim, 山崎泰豊, 林茂生, 津田玲生
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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