トマトなどの園芸作物において、様々な有用形質を有する近縁野生種の遺伝子を通常の交雑によって導入する場合、不良形質に関わる染色体領域が混入する問題がある。このような育種上あるいは研究上の問題を解決する一つの方法として、染色体断片導入系統(Introgression Line ; IL)の利用がある。本研究では、第8染色体における染色体断片導入系統の一つ、IL8-3における糖度の増進などの第8染色体に関わる有用遺伝子座を吟味し、糖度を制御する領域を特定するとともに、環境ストレス耐性などに関わる遺伝子もIL8-3領域に座乗していることを明らかにした。
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