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2006 年度 実績報告書

都市のパッチ状樹林地を取り巻くマトリクスが樹林地の鳥類群集に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 18380020
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 和弘  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (60242161)

研究分担者 一ノ瀬 友博  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (90316042)
高橋 俊守  宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20396815)
キーワード都市緑地 / 鳥類 / マトリクス / 孤立性 / 留鳥 / パッチ状樹林地 / 種組成 / 種多様性
研究概要

都市内にパッチ状に存在する樹林地において、鳥類の生息状況に影響を与える要因として、樹林地の面積、植生の構造、孤立性が指摘されてきた。近年、パッチ状に存在する生息地を取り巻く空間(以下、マトリクス空間)が、補助的な生息場所や移動路として機能することにより、パッチ状生息地の孤立性を緩和している可能性が指摘されているが、研究例は未だ少ない。本研究は、都市の樹林地を取り巻くマトリクスが鳥類にとってどのような空間であるかを明らかにし、都市における鳥類の生息状況を、パッチ状の樹林地のありかたとマトリクスのあり方から予測できるようなモデルを構築することを目的とする。今年度は、東京の都心から西郊にかけて9、千葉県北西部に4のパッチ状樹林地(面積6-10ha)を設定し、越冬期の鳥類調査を実施した。加えて、各樹林地の周囲に6-18の調査地点を設けてマトリクスの鳥類相を調査した。さらに、本研究に先行して行ってきた調査結果の解析を進め、関連する知見の蓄積に努めた。一連の調査ならびに分析の結果、大規模な移動を行う渡り鳥に対しては広い範囲のマトリクス空間の影響が現れ得る可能性が認められた。限られた範囲内で生活を完結させる留鳥については、中・大規模;樹林地ではマトリクス空間の影響が認めにくいものの、小規模な樹林地では隣接するマトリクス空間の影響が認められた。生息に必要な条件が十分に満たされていない小規模樹林地では、鳥類がマトリクス空間に依存する度合いが大きくなる結果ではないかと考えられた。また、マトリクス空間における樹木の存在が、都市化されたマトリクス空間の鳥類への悪影響を緩和する可能性が認められた。今後、樹林地やマトリクス空間における鳥類の生息,生態,行動に影響するマトリクス空間の属性や、マトリクス空間を利用しにくい鳥類に共通する属性について、より詳細に解明する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 都市域の樹林地および樹林地を取り巻く空間の環境条件と鳥類群集との関係2007

    • 著者名/発表者名
      鵜川健也, 加藤和弘
    • 雑誌名

      日本造園学会誌ランドスケープ研究 70(5)(印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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