研究課題/領域番号 |
18380022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北島 宣 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70135549)
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研究分担者 |
片岡 圭子 京都大学, 農学研究科, 助手 (80204816)
札埜 高志 京都大学, 農学研究科, 助手 (40314249)
羽生 剛 京都大学, 農学研究科, 助手 (60335304)
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キーワード | カンキツ / 無核紀州型無核性 / 種子形成 / 植物生長調節物質 / 温度環境 / 果実培養 / 胚の発育 |
研究概要 |
1.植物生長調節物質が‘無核紀州'の種子発育に及ぼす影響:‘無核紀州'および‘平紀州'の受粉6〜10週間後に、GA_3、ウニコナゾール、フィガロン、STS、スクロースを果実に塗布した結果、‘無核紀州'ではAタイプ種子に及ぼす影響がみられず、‘平紀州'ではいずれの処理でAタイプ種子が一部みられ、植物生長調節物質やスクロースはAタイプ種子形成に直接関係していないと考えられた。2.‘サザンイエロー'の種子の発育に及ぼす温度処理の影響:ポット植え‘サザンイエロー'の温室栽培と露地栽培における種子形成と胚の発育を調査した結果、露地栽培では胚の発育が接合子や前胚で発育停止しており、すべてAタイプ種子を形成して無核となるが、温室栽培では子葉型胚となり、Aタイプ種子が発育して完全種子を形成する有核果実が40%以上みられた。温室栽培は露地栽培に比べて最高気温が10℃以上高く、30℃以上になることが多いことから、高温がAタイプ種子の発育に影響をおよぼしていると考えられた。3.‘無核紀州'と‘平紀州'の種皮および子房表皮では授粉時間後に細胞が大きく、分裂活性が低い可能性が示唆された。自家蛍光観察によるクロロプラストの分布は、‘無核紀州'が‘平紀州'に比べて、子房表示では授粉4週間後から、種皮では授粉6週間後ころから少ない傾向がみられ、Aタイプ種子との関連が示唆された。4.果実培養:‘無核紀州'の授粉10〜14週間後の果実を採取し、子皮培養と果芯培養を行った。1/2NのMS基本培地でスクロース添加量も検討した結果、3%スクロース添加の果芯培養で、コンタミ発生率は低下して胚の発育が観察され、Aタイプ種子形成に関する実験系として有効なことが認められた。
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