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2009 年度 実績報告書

三型分泌機構「非」依存の植物病原細菌の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18380031
研究機関静岡大学

研究代表者

瀧川 雄一  静岡大学, 農学部, 教授 (90163344)

キーワードPantoea ananatis / 宿主範囲 / 過敏感反応 / メロン / Rhizobacter / シスト
研究概要

平成21年度においては、昨年に引き続きhrp遺伝子に依存しない植物病原細菌のうちPantoea ananatisについて主に解析した。昨年度までの成果より、イネやネギに病原性を示すP.ananatisは、植物ホルモン合成遺伝子を保有せず、タバコに過敏感反応様の壊死を誘導することを明らかにした。この壊死誘導条件を調べたところ、典型的なHR反応と類似しているが反応誘導のための誘導期間が4時間以上と長く、さらに壊死の発現まで36~48時間かかること、HRの指標とされるタバコのhin1, hsr203J両遺伝子は発現しているが、やはり典型的なHRと比べ3~6時間遅延することを明らかにし、新たな因子による反応である可能性を示した。P.ananatisにトランスポゾンの導入を試みたが、自殺ベクターが自殺せずに維持されたり他の導入キットの組み込み効率が極めて低い事が明らかになった。しかし、数百個の変異株を得て、それらのIIR様反応の誘導能を調査中であり、新たな病原因子あるいは分泌関連機構の解析への道筋が得られた。さらに、ニンジンこぶ病菌Rhizobacter dauciが培養中に死滅しやすい原因が菌体からの3ヒドロキシ酪酸の放出にあり、そこを調節すると同菌がシスト様の形態をとって乾燥への耐久性が高まる事を明らかにした。このようなシスト様の形態は植物病原細菌では初めてであり、同菌の生存と感染といった生態の中で重要な役割を果たしていることが明らかとなるなど、研究計画立案時では想定していなかった大きな成果が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Pantoea ananatis strains are differentiated into three groups based on reactions of tobacco and welsh onion and on genetic characteristics2010

    • 著者名/発表者名
      Kido, K., Hasegawa, M., Matsumoto, H., Kobayashi, M., Takikawa, Y.
    • 雑誌名

      Journal of General Plant Pathology 76

      ページ: DOI 10.1007/s10327-010-0230-9

    • 査読あり
  • [学会発表] Pantoea ananatis Group 1 がタバコに誘導する過敏感反応様反応 (HR-like rcaction) の特徴2010

    • 著者名/発表者名
      木戸一孝・古谷綾子・落合弘和・松本洋司・松本大雪・瀧川雄一
    • 学会等名
      平成22年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2010-04-20
  • [学会発表] ニンジンこぶ病菌 Rhizobacter dauci のシスト様細胞集塊形成2010

    • 著者名/発表者名
      河原崎秀志・後藤正夫・木嶋利男・瀧川雄一
    • 学会等名
      平成22年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2010-04-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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