研究課題/領域番号 |
18380032
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川北 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90186065)
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研究分担者 |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30240245)
園田 雅俊 千葉大学, 自然科学研究科, 助手 (70376367)
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キーワード | 感染防御応答 / シグナル伝達 / 活性酸素 / NO / O_2^-生成NADPH酸化酵素 / NO合成酵素 / NO生成硝酸還元酵素 |
研究概要 |
植物の感染防御応答において、活性酸素分子種の動的抵抗反応の始動を統御する機構を理解するためO_2^-生成機構の解明ならびにNOの生成機構の解明を図った。 O_2^-生成は主にNADPH酸化酵素によると考えられ、その活性本体であるrboh (respiratory burst oxidase homolog)遺伝子として、先にジャガイモ塊茎からStrbohAとStrbohBを単離している。 今回、葉組織において機能する病原菌誘導性rbohとしてStrbohCとStrbohDを単離した。阻害剤と過剰発現ジャガイモ植物を用いた解析の結果、StrbohCとStrbohDはMAPK (mitogen-activated protein kinase)カスケードにより転写レベルで制御されることを明らかにした。 また、StrbohBのN末端領域のSer82をリン酸化する酵素のスクリーニングを抗リン酸化ペプチド抗体を用いて行い、2種のCa^<2+>依存性タンパク質リン酸化酵素(CDPK) StCDPK4およびStCDPK5を単離した。StCDPKの機能解析をNicotiana benthamianaを用いて行った結果、恒常活性型StCDPK5は、StrbohBのSer82とSer97をリン酸化することによりO_2^-生成を誘導すると推定された。 一方、NO生成系として硝酸還元酵素(NR)が機能することを先に示したが、NO合成酵素(NOS)が植物においても機能する可能性がある。NOSの活性調節タンパク質をコードすると推定されるAtNOA1ホモログであるNbNOA1をN, benthamianaより単離した。ウイルスを介したジーンサイレンシングにより作製したNbNOA1サイレンシング葉において、INF1エリシターにより誘導されるNO生成ならびに防御関連遺伝子の発現が抑制され、INF1エリシターに応答したNO生成には、NRに加えてNOA1が関与することが示唆された。
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