研究課題
本年度計画通りに1)タバコスズメガでカイコZ座乗遺伝子オルソログを含むBACクローンの特定拡充とBAC-FISHによる座乗染色体ならびに配置決定の進展、2)オオモンシロチョウでのDOP-PCRによるカイコのZ座乗遺伝子オルソログ特定と雌雄ゲノムを用いたPCR多形解析、3)オオモンシロチョウのBACスクリーニング系の確立とカイコのZ座乗遺伝子オルソログを含むBAC-FISHの確立、4)別種間でのW染色体比較の研究を進展させた。1)本年度中はさらにカイコZ座乗遺伝子のオルソログを含む2BACを得て、合計4BACで細胞学的にZ座乗を確認した。その結果、カイコとタバコスズメガ間における染色体逆位の可能性が示された。2)カイコを用いたPCR多形解析系を開発し、オオモンシロチョウに適応した。カイコでZ座乗が確認されているapterous遺伝子のオルソログを一部配列決定し、PCR多形解析系に用いた結果、同オルソログのZ座乗が強く示唆された。3)分担者により確立されたオオモンシロチョウのBACスクリーニング系を用いて、カイコapterousオルソログを含むBACクローンを同定しFISHにより細胞学的にZ座乗であることを示した。これにより、2)研究の結果が正しいと確認され、鱗翅目昆虫におけるPCR多形解析系によるZ座乗遺伝子の同定法が開発されたと言える。4)オオモンシロチョウーモンシロチョウとタバコスズメガーエビガラスズメ間でのCGHの結果、双方のゲノム間での配列保存性が確認された。ただしW染色体を構成する配列にはかなりの相違があることが示唆された。
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