研究課題
本研究課題は、殺虫スピードの異なる核多角体病ウイルス(NPV)をチャノコカクモンハマキ幼虫に接種し、その病理学的性状を比較し、殺虫スピードを決定する要因を明らかにすることを目的としている。平成19年度も引き続きチャノコカクモンハマキの初代培養細胞の樹立を試みたがウイルス感染可能な増殖力の高い樹立細胞系は得らなかった。そこで、アメリカで組み換えバキュロウイルスについての研究経験を持つvan Beek博士を招聘し培養細胞を用いずにin vivoで組み換えウイルスを作製する法について検討した。また、宮崎県で分離されたウイルス株についてさらに詳細に検討した結果、リンゴコカクモンハマキから分離された顆粒病ウイルス(GV)と極めて近縁であるが包埋体の形状がNPVに似たウイルスであることがわかった。本研究の主題とは直接関係がないが、このような新しいGVの変異株を調査することにより包埋体の形状に関連する遺伝子についての情報が得られるため引き続き調査を行う。平成19年にも京都府でチャノコカクモンハマキの野外個体群においてウイルス病の探索を試みたが、8月に採集した個体群からはNPV罹病虫は見つからなかった。
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