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2007 年度 実績報告書

昆虫血球「顆粒細胞」の増殖促進因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18380039
研究機関東京農工大学

研究代表者

岩淵 喜久男  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (00203399)

研究分担者 佐藤 令一  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (30235428)
キーワードカイコ / 血球 / 顆粒細胞 / 増殖促進因子 / インスリン / IDGF
研究概要

昆虫の血球数は、造血器官での生産と循環血球の分化ならびに細胞分裂によって調節される。カイコの循環血球に関する我々のこれまでの研究により、血球種のひとつである顆粒細胞は、原白血球の分化ならびに顆粒細胞の細胞分裂により増殖することが明らかとなった。さらに顆粒細胞の細胞分裂は、培養条件下で培地へのボンビキシンと幼虫血液の同時添加によって促進されることが明らかとなった。この効果はインスリンでも認められた。そこで本研究では、カイコ幼虫血液中に含まれる顆粒細胞増殖因子の同定を目的とした。具体的には、(1)カイコ血液からの因子の精製と同定、(2)他の昆虫種で見つかっているインスリンど協同して作用する成虫原基細胞増殖因子の遺伝情報を基にした物質の推定、の両面から行なった。
(1)血液からの因子の精製については、前年度に確定した前処理条件をもとに、引き続きHPLCによる分画、MGM450培地を用いた培養顆粒細胞における分裂活性、ならびにSDS-PAGEによる精製確認を進めた。その結果、穎粒細胞の分裂促進因子として、インスリン非依存的に促進効果をもつ約95kDaのタンパク質と、インスリン依存的に効果を示す約20kDaのタンパク質の存在を明らかにした。このうち、後者についてはアミノ酸のN末端配列を決定、データベースより新規の物質である可能性が高いことが示唆された。産業財産権等、準備中。
(2)ショウジョウバエで見つけられたインスリンと協働して働く細胞増殖因子IDGFの遺伝子情報をもとに、カイコIDGFの塩基配列を決定、さらにSf9細胞を用いたBaculovirus発現システムを用いて組換えカイコIDGFを作製した。しかし、IDGFには顆粒細胞に対する明確な効果は認められず、穎粒細胞増殖促進はこれとは別の、(1)で示した2種類の因子であることが明らかとなった。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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