研究課題/領域番号 |
18380046
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
玉田 靖 独立行政法人 農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域・絹タンパク素材開発ユニット, ユニット長 (70370666)
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研究分担者 |
桑名 芳彦 昆虫科学研究領域, 絹タンパク素材開発ユニット, 主任研究員 (30370654)
小島 桂 昆虫科学研究領域, 絹タンパク素材開発ユニット, 主任研究員 (40370655)
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キーワード | バイオセンサ / フェロモン / レセプタ |
研究概要 |
本研究ではカイコガのフェロモン受容系をモデルとし、フェロモン受容に関係するレセプタ等の生体分子群を人工のリン脂質二重膜に再構成し、フェロモン等の刺激受容を脂質膜の膜電位変化として検出するデバイスの構築を目的としている。 平成18年度は、カイコガフェロモンレセプタとGタンパク質等の信号伝達系関連遺伝子のクローニングを行った。雄カイコガの触角で発現する匂いレセプタとしてBmOR1(ボンピコール応答性レセプタ)、BmOR3(ボンビカール応答性レセプタ)、BmOR2(BmOR1、BmOR3と協調して信号の増幅や安定化に寄与するとされるタンパク質)、さらにフェロモン受容特異的なGタンパク質としてBmGqaの4種類の遺伝子を選定し、これらを雄カイコガの触角からクローニングした。得られた遺伝子の配列を決定したところ、BmOR1、BmOR2、BmGqaについては既に報告されている配列と完全に一致したが、BmOR3については塩基配列として3箇所の変異がある配列が得られた。これは品種による変異と思われるが、アミノ酸配列には変化がなかったことから、レセプタとしての機能には差異がないものと考えている。 平成19年度は、これらクローニングした遺伝子のうちBmOR1とBmOR2の遺伝子を発現ベクターに導入して、大腸菌で目的タンパク質を発現させた後に抗体を作成した。この抗体はレセプタタンパク質の発現確認等に用いる。さらに昆虫細胞BmNを用いてこれら2種類のフェロモン受容タンパク質を発現させた。 20年度はホールセルクランプ等の手法を利用して、昆虫細胞で発現している受容タンパク質の活性を確認する。さらに膜画分を抽出してセンサデバイス上に再構成する手法を開発する。並行して、信号検出のためのリン脂質二重膜-半導体デバイス計測系の改良を進め、感覚受容系解析システムとしての最適化を行う。
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