研究概要 |
1.ダイズWilliamsとその根粒超着生変異体NOD1-3間で交互接木を行ったところ,Williamsはエンレイと異なり地上部と地下部の両方が貯生型である場合のみアーバスキュラー菌根菌にオートレギュレーション機構が作用することがわかった.エンレイを用いてダイズ単葉根を作成し,これに初めて菌根を形成させることに成功した.しかしその菌根形成率は親株の約30%であり形成率の向上が今後の課題となった. 2.ダイズの根粒非着生変異体En1314の原因遺伝子のマッピングを行った結果、連鎖群D1b上に位置付けられた。マメ科モデル植物の根粒非着生変異の原因遺伝子の塩基配列情報を使ってダイズEST配列を検索したところ、ミヤコグサNFR1遺伝子のホモログが根粒非着生の表現型と共分離した。このEST配列を含むダイズ遺伝子を単離塩細列を決定したところ、これが候補遺伝子である可能性が示唆され、これをGmNFR1遺伝子と名付けた。 3.根粒超着生ダイズ関東100号と野生型エンレイを,窒素施用レベルをかえてポット栽培(黄色土)したところ関東100号の根粒着生はエンレイの数倍量を示し,窒素400mgNkg^<-1>施用区では両品種の根粒着生は大きく抑制された.菌根形成頻度は両品種ともすべての窒素処理区で100%あるいはそれに近い値を示したが、樹枝状体形成率は関東100号でわずかに高く、窒素濃度が上がるにつれてわずかに減少する傾向を示した. 4.ダイズ野生型のエンレイ、Braggおよびそれらの根粒形成突然変異体を4段階のリンレベルで水耕培養し、根の浸出物を同収した。これらの浸出物および脱塩永(対照区)中でアーバスキュラー菌根菌の胞子を培養し、外生菌糸長及び分岐数を測定した。培養7日目の外生菌糸長及び分岐数は、リン欠乏の根の浸出物中で対照区より大きかったが、ダイズの系統間では差がなかった。
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