研究課題/領域番号 |
18380049
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大山 卓爾 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30152268)
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研究分担者 |
末吉 邦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10216278)
大竹 憲邦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50313507)
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キーワード | ダイズ / 根粒 / 窒素固定 / 硝酸 / 葉 / 光合成産物 / 根粒超着生変異株 / 根粒形成自己制御 |
研究概要 |
根粒形成の自己制御機構が低下又は欠損したダイズの変異株は、親株の数倍から10倍程度の数の根粒を形成し、根粒超着生形質を示す。これまで根粒超着生変異株における根粒超着生形質以外に関する表現型について、茎葉部の表現型に関する詳細な調査はほとんど行われていなかった。そこで、本年度は、根粒超着生以外の形質に着目することで、根粒形成自己制御が個体全体としてどのように調節されているかを超着生以外の形質に着目することで、根粒形成自己制御が個体全体としてどのように調節されているかを調査した。実験材料はダイズ品種Williamsより分離された根粒超着生変異株NOD系統(NOD1-3、NOD2-4及びNOD3-7)を用いた。 根粒形成自己制御機構は茎葉部の遺伝型がポイントになることから、光合成産物の分配が異なる可能性があると考え、根粒形成自己制御機構の抑制ターゲットとなる根粒原基の発達過程について、光合成産物の要求量を比較した。^<14>C標識した二酸化炭素を与え、植物体内での分配を調査した結果、根粒超着生形質は、光合成産物の分配が原因ではないことが明らかになった。 次に、根粒超着生変異株NOD系統の初期生育を親株と比較した。一般的に根粒超着生変異株は親株よりも生育が劣ると言われるが、これは根粒を多数着生し、宿主の光合成産物の消費を増加させることに依存した二次的な影響であった。部位別に比較すると、根粒菌接種の有無や培地中硝酸の有無に関わらず、NOD1-3とNOD3-7は葉身が親株よりも小さいままで展開を停止することを見いだした。 葉身の細胞レベルでの観察から、NOD1-3とNOD3-7は親株よりも1枚の葉身当たりの細胞数が少ないことを示した。以上の研究結果から、根粒形成自己制御機構における感染シグナルは、葉の細胞増殖を促進する物質である可能性が示唆された。
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