| 研究概要 |
還元的TCAサイクルにより炭酸固定を行う独立栄養生物であるHydrogenobacterthermophilusの,「還元的TCAサイクルの関連代謝系の統合的研究」で,本年度は以下の事柄を明らかにした。
(1)本菌では窒素同化代謝経路として,GS-GOGAT系(GlutamatesynthetaseとGlutamate:2-Oxoglutarateamidotransferase)が機能していることを見出し,さらに,GOGATを電気泳動的に単一にまで精製した。さらに,精製GOGATが電子供与体として還元型フェレドキシンを使うものであることを明らかにした。
(2)還元型フェレドキシンを生成する酵素系を探索する一環として,本菌のヒドロゲナーゼ系について転写産物の解析を行った。これまでに4種類のヒドロゲナーゼ分子種が同定されているが,その全てが転写されていることを明らかにした。
(3)還元型フェレドキシンを生成する酵素系を探索する一環として,これまでの研究から主要に機能していることが分かっているフェレドキシンを用いてアフィニティークロマトを作成し,フェレドキシンと相互作用するタンパク質の包括的な探索を行っている。(4)還元的TCAサイクルの直接のメンバーであるフマル酸還元酵素を電気泳動的に単一にまで精製した。同酵素が5つのサブユニットから成ることを示し,アミノ末端からのアミノ酸配列分析とドラフトゲノム情報に基づき,遺伝子の同定も行い,さらに系統解析も行った。
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