研究課題
基盤研究(B)
食糧関連酵素およびタンパク質に存在する可動ループの構造と機能を明らかにするためにβ-アミラーゼ、アルギン酸リアーゼ、プルラナーゼ等の酵素と種子グロブリンを用いて、これらのタンパク質のX線結晶構造解析による可動ループの検出と機能解析を行った。β-アミラーゼについては活性部位に存在する2箇所の可動ループのうち、フレキシブルループ上の変異体を10個作製し、変異酵素の機能解析と1.0〜1.3A分解能でのX線結晶構造解析を行った。それぞれの変異体について、異なる基質アナログ濃度での多数の構造解析を行うことにより変異アミノ酸残基の役割を詳しく調べ、ループ上のAsp101の重要性を明らかにした。アルギン酸リアーゼについては、種々の結晶を作製してX線結晶構造解析を行った結果、斜方晶の結晶中でのみ、活性部位に存在するリッドループが可動であることが分かり、この結晶を用いて基質複合体の構造解析を行った。その結果、リッドループ上の重要な残基を明らかにすることができ、アミノ酸変異の結果と合わせて本酵素の触媒機構の詳細を明らかにすることができた。また、プルラナーゼ、キサンタンリアーゼ、ラムノシダーゼおよびUDP-N-アセチルグルコサミンエノールピルビン酸トランスフェラーゼの構造解析を行い、これらの酵素に存在する可動ループの役割について検討した。一方、種子グロブリンに存在する可動ループについては、X線では見えないことから、より多くの類似構造の情報を得るために、マングビーンの8Sグロブリン等の構造解析を行った。以上のように本研究においてX線結晶構造解析を用いた食糧関連酵素およびタンパク質の可動ループの解析が有効であることが示された。
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