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2006 年度 実績報告書

テーラーメード型花粉症対策食設計のための基盤解析

研究課題

研究課題/領域番号 18380082
研究機関広島大学

研究代表者

田辺 創一  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (90272624)

研究分担者 立花 宏文  九州大学, 大学院農学研究院, 助教授 (70236545)
キーワード花粉症 / 末梢血単核球 / サイトカイン / 温州みかん / フラボン / 好塩基球
研究概要

花粉症患者10数名を用いて、温州みかんパウダーの花粉症緩和効果について検証した。In vitro試験として、花粉飛散の前に採血し、末梢血単核球画分を分離した。これを花粉抗原とともに培養し、産生されるサイトカインを磁気ビーズサスペンションアレイシステムにより測定した。全血10mLを用いて、GM-CSF,IFN-γ,IL-2,-4,-5,-10,-12,-13,およびTNF-α濃度を測定することが可能になった。
花粉刺激により、INF-γ濃度が低下した一方、TNF-αやIL-4濃度が上昇した。培養液に温州みかんパウダーを共存させておくと、これらのサイトカインが、花粉刺激前の値に近づいた。従って、温州みかんには、Th1/Th2サイトカインバランスを改善すること、および、TNF-α産生を抑制する活性のあることがin vitroで確認された。
前述の採血後、温州みかんパウダーを2ヶ月間患者に摂取してもらい、症状の推移を観察するとともに、摂取後再び採血を行い、同様のin vitro試験に供した。2006年は花粉飛散が少なかったこともあるが、パウダーの摂取により患者は概ね症状が緩和された。摂取後の末梢血単核球の解析を現在行っている。
平行して、抗アレルギー作用を見出しているフラボン類の摂食実験を行い、摂食後回収した脾臓細胞からのサイトカイン産生をサイトカインアレイにより測定した。その結果、Th2サイトカインであるIL-4およびIL-13の産生能が低下していることを見出した。また、末梢血より分離した好塩基球に対して、クリシンおよびアピゲニンを作用させ、高親和性IgE受容体FcεRI発現に対する影響を検討し、FcεRIの構成鎖であるa鎖のmRNA発現を強力に抑制することを明らかにした。この結果は、ヒト好塩基球様細胞株KU812を用いて得られていた結果と一致した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Epitope Peptides and Immunotherapy2007

    • 著者名/発表者名
      Soichi TANABE
    • 雑誌名

      Current Protein and Peptide Science 8

      ページ: 109-118

  • [雑誌論文] アレルギー対応食品の開発 〜アレルゲン解析から抗アレルギー食品の設計まで2007

    • 著者名/発表者名
      渡辺純, 田辺創一
    • 雑誌名

      化学と生物 45・3

      ページ: 152-160

  • [雑誌論文] Evaluation of the anti-allergic activity of Citrus unshiu using rat basophilic leukemia RBL-2H3 cells as well as basophils of patients with seasonal allergic rhinitis to pollen2006

    • 著者名/発表者名
      Shoko KOIIAYASHI, Soichi TANABE
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Medicine 17・3

      ページ: 511-515

  • [雑誌論文] Dietary apigenin suppresses IgE and inflammatory cytokines production in C57BL/6N mice2006

    • 著者名/発表者名
      Satomi YANO et al.
    • 雑誌名

      J. Agric. Food Chem, 54

      ページ: 5203-5207

  • [雑誌論文] 緑茶カテキン受容体を介したカテキンの抗がん、抗アレルギー作用2006

    • 著者名/発表者名
      梅田大介, 立花宏文
    • 雑誌名

      農林水産技術研究ジャーナル 29・7

      ページ: 24-28

  • [雑誌論文] 植物ポリフェノールの抗アレルギー作用2006

    • 著者名/発表者名
      立花宏文
    • 雑誌名

      Food style 21 10・7

      ページ: 44-46

  • [図書] Nutraceutical Proteins and Peptides in Health and Disease(Ed. By Yoshinori Mine and Fereidoon Shahidi)2006

    • 著者名/発表者名
      Soichi TANABE
    • 総ページ数
      30
    • 出版者
      CRC Press

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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