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2007 年度 研究成果報告書概要

エピジェネテックス系による動脈硬化の制御と食事による介入

研究課題

研究課題/領域番号 18380083
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 食品科学
研究機関九州大学

研究代表者

今泉 勝己  九州大学, 農学研究院, 教授 (90037466)

研究分担者 佐藤 匡央  九州大学, 農学研究院, 准教授 (90294909)
研究期間 (年度) 2006 – 2007
キーワードエピジェネティクッス / 代謝的刷り込み / 動脈硬化 / 脂肪肝 / 脂肪酸合成酵素 / プロモーター領域 / DNAのメチル化
研究概要

成長の初期における栄養環境が成長後の代謝に影響を及ぼすことが報告されており、このような現象を「代謝的刷り込み」とよぶ。先の研究において、離乳期にメバロン酸添加食を3週間だけ与えたラットは、通常食を与え続けたラットと比較して、成長後の肝臓トリアシルグリセロール(TG)濃度が有意に低く、TGの構成分子である脂肪酸を生合成する酵素、脂肪酸合成酵素(FAS)のMrna発現量も有意に低い値を示すという結果を得た。これはメバロン酸に肝臓のFAS Mrna発現およびTG濃度を低減させる代謝的刷り込み効果があることを示唆しており、本研究はこの刷り込み現象のメカニズム解明を目的としている。
先の動物実験の再現系としてHepG2細胞を用いて行った実験では、80%コンフルエントの状態からメバロン酸を含む培地で36時間培養し、その後さらにメバロン酸を含まない培地で36時間培養すると、72時間通常培地で培養した対照群と比較してFAS活性およびmRNA発現が有意に低い値を示した。これは動物実験と同様の結果であった。
このように時期特異的なメバロン酸刺激によってFAS mRNA発現が長期的に抑制される機構として我々は、エピジェネティックな遺伝子発現調節、特にDNAのメチル化に注目して検討を行った。哺乳類ではシトシンとグアニンが連続する配列(CpG配列)のシトシンにのみ確認されている。このCpG配列は遺伝子のプロモーター領域に多くみられ、メチル化が起こると転写因子の結合を阻害し下流遺伝子の発現を抑制すると考えられている。前述の細胞実験の条件において、FAS遺伝子のプロモーター領域のメチル化解析をMSP法およびBisulfite sequencing法を用いて行った。その結果、領域内の転写因子応答配列Sterol regulatory element(SRE)近傍のメチル化状態がメバロン酸による刺激によって促進されることが明らかとなった。
以上の結果からin vitroにおいて、時期特異的なメバロン酸刺激によってFASプロモーター領域内のSRE近傍のDNAメチル化が促進され、これによりFAS mRNA発現が抑制されている可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 培養細胞においてメバロン酸が脂肪酸合成酵素発現に及ぼす刷り込み効果-DNAメチノレ化による発現調節-2007

    • 著者名/発表者名
      兼丸 祐紀、井 上崇、清水 朋美、佐藤 匡央、今泉 勝己
    • 学会等名
      第62回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20070500
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Imaizumi Imprinting effect of mevalonic acid on fatty acid synthetase expression in cultured cells - Control of its expression via DNA methylation2007

    • 著者名/発表者名
      Y., Kanemaru, T., Inoue, T., Shimizu, M., Sato, K., Imaizumi
    • 学会等名
      The 62th congress of Japanese Society of Nutrition and Food Science
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      20070500
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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