研究課題
Melaleuca cajuputi、Melaleuca bracteata、Eucalyptus camaldu lensisを材料として、解糖系中間代謝物の抽出・精製・定量法の改良を行った。また、M.cajuputiとM.bracteataを材料として解糖系、TCA回路について、これまでに確立したものに加え、さらにいくつかの代謝物量と酵素活性の測定法を確立した。これらを含め、これまでに確立した手法を用いてアルミニウムストレスに対する耐性種艦M.cajuputiと感受性種M.bracteataの根の代謝制御の解析を行った。1mM、24時間のアルミニウム処理による両種の解糖系の応答が異なることがわかった。最も顕著な違いとして、感受性種のM.bracteataは、解糖系のフラックスがアルミニウムストレスにより低下し、根のエネルギー状態が悪化したが、耐性種のM.cajuputiは、少なくともホスホグリセリン酸までの解糖系のフラックスが低下していたにもかかわらず、エネルギーとして利用される最下流のアセチルCoA量は維持され、エネルギー状態が悪化しなかった。また、スクロース分解や解糖系最上流部の代謝で両種に違いが見られたので、これらに関連する代謝経路の詳細な解析を行うことにより、M.cajuputiのA1ストレス耐性機構が解明される可能性を示すことができた。また、確立した手法は他の環境ストレスへのこれら樹木の代謝応答の解析に適用できるので、特にM.cajuputiの持つ強力な低酸素ストレス耐性の機構解明に向けてさらに詳細な解析を行いたい。
すべて 2009 2008
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Plant and Soil 307
ページ: 167-178