研究課題
(1)平成18年度の研究でin vitro培養系で虫体の殺効果・成長抑制効果が高いと判定された薬剤と同系統の薬剤について、その殺虫体作用を同様にin vitro培養系でアッセイし、これら同系統の薬剤も同様に0.02uMという低い濃度で高い殺作用を持つことが明らかになった(薬剤の具体的な名称については、特許申請の可能性があるため伏す)。(2)ヒラメをもちいてこれらの薬剤の投与法を検討し、フィードオイルに懸濁してペレットに添加することで、1000ppm程度までは添加できることを見出した。また、薬剤3種のうち1種について薬剤添加が摂餌と魚体死亡に与える影響を検討した。1000ppm程度であれば薬剤添加は摂餌を抑制せず、魚体の死亡ももたらさないことが示された。(3)将来のワクチン開発のための大量培養方法に資する目的で、in vitro培養の大量培養化を試みた。具体的には、培養容器の大型化、ゲル濃度の最適化、添加細胞量の最適化を測った。培養容器の大型化するとゲルの濃度をあげる必要があり、一方ゲル濃度を上げると成長が抑制されるという結果で、この問題の解決には新しい培養系が必要だと思われた。添加細胞量は現行の3倍程度までは成長の促進に有効であることを見出した。(4)抗原の投与法の検討した結果、冷凍虫体あるいはホルマリン固定虫体の注射免疫が有効で、非動化抗体の産生が確認された。ただし、ワクチン効果の検討にはいたっておらず、今後の課題として残った。
すべて 2007
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Diseases of Aquatic Organisms 78
ページ: 155-160