(1)海産白点虫の化学療法を目指して、昨年度に引き続き、昨年度とは異なる化学療法剤の有望な候補について、ヒラメを用いて魚毒性の検討を行い、飼料へ400ppmまでの添加であれば魚体の死亡は引き起こさないことが明らかと成った。ただし、200ppm以上では摂餌量の低下が観察された。なお、薬剤の種類については、将来の特許申請を鑑み、記述しない。(2)海産白点虫の化学療法剤として有望な薬剤について、比較研究としてヒラメに寄生するスクーチカせん毛虫への増殖抑制効果をin vitroで調べ、ある程度の増殖抑制効果があることを明らかにした。さらに、この薬剤を用いたスクーチカせん毛虫症治療の可能性を調べるために不可欠な、攻撃試験法を検討し、低塩分海水中で攻撃飼育することにより高率に発症させることができることを明らかにした。あわせて、攻撃のための細胞数、培養法についての最適条件を求めた。 (1)海産白点虫の化学療法剤として有望な薬剤について、比較研究としてヒラメに寄生するスクーチカせん毛虫への増殖抑制効果をin vitroで調べ、ある程度の増殖抑制効果があることを明らかにした。さらに、この薬剤を用いたスクーチカせん毛虫症治療の可能性を調べるために不可欠な、攻撃試験法を検討し、低塩分海水中で攻撃飼育することにより高率に発症させることができることを明らかにした。あわせて、攻撃のための細胞数、培養法についての最適条件を求めた。 (3)in vitro培養系を用いた海産白点虫の生物学的特性の解明の一環として、共焦点レーザー顕微鏡を用いた海産白点虫の核の発達の観察を試みた。その結果、蛍光染色によりシスト期の大型の虫体でも当該顕微鏡を用いて虫体の核ならびに虫体が摂取した宿主核を観察できることが明らかとなった。 (4)ワクチン開発を目的とした虫体のin vitro培養での大量作出法の開発のために、in vitro培養法の最適化を検討したが、培養系からの虫体の取出しが最も困難で、この点が大量作出のための最大の隘路となっている。
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