研究課題/領域番号 |
18380117
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中尾 実樹 九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (50212080)
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研究分担者 |
杣本 智軌 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (40403993)
加藤 陽子 九州大学, 大学院農学研究院, 技術専門職員 (10380560)
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キーワード | コイ / 補体 / 多様性 / 機能分化 / 組換えタンパク / 抗体 |
研究概要 |
本研究は、コイの多重化した補体成分間の相互作用をタンパク質レベルで詳細に解析し、補体アイソタイプが織りなす反応ネットワークを解明することを目的とする。本年度は、C3、C4、C5のアイソタイプ間の相互作用を解析するために、1)C3アイソタイプを識別するモノクローナル抗体の樹立、2)C4およびC5アイソタイプを識別するためのポリクローナル抗体の作成に着手した。その結果、コイC3-H1とC3-Sアイソタイプをそれぞれ特異的に認識するモノクローナル抗体を樹立することに成功し、これら抗体を用いたフローサイトメトリーおよびウエスタンブロット解析により、両アイソタイプ間の結合特異性に大きな違いが認められた。C4およびC5アイソタイプについては、コイC4-1、C4-2、C5-1、C5-2のネトリンドメインを、組換えタンパク質として大腸菌で発現させることに成功した。このうちC5-1ネトリンドメィン(rC5-1-NTR)を用いて、組換えタンパクが正常な立体構造を保持しているかどうかを検定したところ、rC5-1-NTRは数μ9でコイ血清によるヒツジ赤血球の溶血反応を有意に阻害し、血清中のnative C5と競合できることが示された。調製した組換えタンパク質でウサギを免疫して特異抗体を作成し、ウエスタンブロッティングおよびゲル内二重拡散法によってそれらの特異性を検定したところ、コイ血清中のC4-1、C4-2のγ鎖およびC5-1のα鎖の特異的な検出に成功した。さらに、コイMBLおよびGalBLのレクチンドメインを組換えタンパク質として発現させることにも成功するとともに、コイ補体レクチン経路の活性を特異的に検出する簡便なアッセイ法を確立することができた。
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