研究課題/領域番号 |
18380118
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
萩原 篤志 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (50208419)
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研究分担者 |
阪倉 良孝 長崎大学, 水産学部, 准教授 (20325682)
小谷 知也 福山大学, 生命工学部, 講師 (30389069)
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キーワード | シオミズツボワムシ / 餌料生物 / 品種改良 / 種苗生産 / 株間交雑 / 両性生殖 / 遺伝子 / 生物機能 |
研究概要 |
1.シオミズツボワムシ(ワムシ)の生物機能の解析 海産無脊椎動物の倍数体誘導に用いられるサイトカラシンB(0〜10mg/Lに6段階)とカフェイン(0〜103mg/Lに5段階)で、ワムシを0〜60分間処理(3段階)し、被甲サイズに与える影響を求めたところ、ふ化後0〜2時間のワムシをサイトカラシンB10mg/Lで処理すると非処理区より5.4%体サイズが大型化し、ふ化後2〜4時間のワムシをカフェイン1mg/Lで処理すると8.8%小型化した。 2.ワムシ株間の交雑実験と交雑株の生物機能評価 ドイツ株とオーストラリア株の交雑株が受精卵(耐久卵)を形成することを確認した。交雑株の株内で形成された受精卵から生じる個体群には、大きな遺伝的変異が期待できる。既知のシオミズツボワムシ交雑株では、受精が確認された例はなく、本成果が最初の例となることから、ワムシ育種上の意義はきわめて大きい。 3.遺伝子マーカーを用いたワムシ株の同定技法の開発 交雑実験を反復すると共に、交雑株の作出に成功した場合には、その由来する親株を前年度の研究で確立した遺伝子マーカーを用いる方法で再確認した。 4.優良形質を有するワムシ株の選抜 NH1L株とオーストラリア株との交雑株の作出に成功した。その悪環境に対する耐性を求めたところ、非解離アンモニア(18.8mg/L)に対する耐性は、交雑株が親株よりも3〜6倍高いことが分かった 5.選抜株を用いた仔魚飼育実験 水槽内での交雑株の分布と遊泳行動は親株とほぼ等しく差は見出せなかった。仔魚が摂餌出来ることも確認した。
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