研究課題/領域番号 |
18380124
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊原 治彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90183079)
|
研究分担者 |
三上 文三 京都大学, 農学研究科, 教授 (40135611)
鈴木 徹 東北大学, 農学研究科, 教授 (70344330)
井上 広滋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60323630)
|
キーワード | マガキ / クモ系 / ペプチド / バイオミネラリゼーシ / 貝殻 / カルシウム / 外套膜 / 炭酸カルシウム |
研究概要 |
申請者がマガキの外套膜遺伝子ライブラリーより得た貝殻形成関連遺伝子の一次構造は、「アメリカジョロウグモのクモ巣粘着糸」及び「アメリカジョロウグモの牽引糸」と高い相同性を示した。RT-PCRにより、それらのmRNAの分布をRT-PCR法とin situ hybridization法により調べたところ、ともに外套膜辺縁部にのみ発現することが確認されたが、両者の発現部位には多少の違いが認められ、前者は外套膜辺縁部のouter foldの外側に、もう後者はouter foldの内側に発現することが確認された。また、貝殻再生時に両mRNAの発現量が増加することが確認された。粘着糸様タンパク質については、さらに抗体を作製し、その翻訳産物の分布を調べた結果、貝殻稜柱層を囲むように発現していることがわかった。 次に、粘着糸様タンパク質中のクモ糸タンパク質と特に高い相同性を示す領域に含まれるYGPGDGPの7アミノ酸からなる繰り返し配列に注目し、この7アミノ酸の合成ペプチドが結晶形成に及ぼす影響を検討したところ、このペプチドのみで貝殻様結晶の誘導活性が認められた。この活性はYGPGDの5アミノ酸の合成ペプチドでも認められたが、YGPGAでは消失した。以上の結果から、貝殻様結晶誘導活性にはYGPGDの5アミノ酸で十分なこと、及びこのペプチド配列中のアスパラギン酸が活性発現に特に重要なことが明らかになった。
|