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2008 年度 実績報告書

クモ糸様タンパク質に注目した貝殻作りの分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18380124
研究機関京都大学

研究代表者

豊原 治彦  京都大学, 農学研究科, 准教授 (90183079)

キーワードマガキ / 貝殻 / クモ糸様タンパク / 石灰化 / バイオミネラリゼーション / 凝集沈殿剤
研究概要

今年度の最大の成果は、長年の課題であったoySLP2遺伝子の全長クローニングに成功したことである。cDNAレベルのRT-PCRクローニングならびにゲノムレベルの遺伝子ウォークからの結果が一致したことから、得られた遺伝子は確実にoySLP2全長をコードする遺伝子であると判断された。興味深いことに本遺伝子はイントロンレスであったこと、またサザンブロット解析の結果マルチコピーからなっていたことから、貝殻形成におけるoySLP2の重要性が示唆された。また、サザンブロット解析において、イシサンゴとの交差性が示されたことから、oySLP2は幅広い生物種においてバイオミネラリゼーション過程に関わっているものと推測された。また、in situハイブリダーゼーション解析において、oySLP2は稜柱層形成に関わっていることが示された。一方、oySLP1の免疫走査電子顕微鏡観察にも成功し、最外層を覆うように分布していることが示された。クモ糸ペプチドを塗布した核を挿入したアコヤガイから得られた真珠では、最外殻においてアラゴナイト層が多層化しやすい傾向を示した。一方、大腸菌を用いて作製したクモ糸タンパク質oySLP1の組換え体は、マグネシウムイオンとカルシウムイオン共存下におけるアラゴナイト形成をカルサイト形成にシフトさせる機能を有していた。また、当初予想していなかった成果であるが、貝殻を温和な条件下で焼成することにより貝殻中のクモ糸様タンパク質などの有機物の分解を抑えることができ、その結果、極めて高性能な凝集沈殿剤を開発することに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] マガキ由来のクモ糸様タンパク質の進化学的解析2008

    • 著者名/発表者名
      高橋潤, 上田能久, 竹尾圭, 高木雅哉, 岸田拓士, 東畑顕, 豊原治彦
    • 学会等名
      第3回バイオミネラリゼーションワークショップ
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-12-13
  • [学会発表] Biomineralization Mechanisms of Shell Formation of Pacific Oyster2008

    • 著者名/発表者名
      J. Takahashi, M. Takagi, T. Tonooka, M. Kawamura, H. Toyohara
    • 学会等名
      IUMRS-ICA 2008
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2008-12-10
  • [学会発表] Proteinous factors involved in biomineralization of the shell2008

    • 著者名/発表者名
      H. Toyohara
    • 学会等名
      アジア太平洋マリンバイオテクノロジー学会
    • 発表場所
      釜山(韓国)
    • 年月日
      2008-11-13
  • [学会発表] マガキ貝殻形成に関わるタンパク質の構造と機能2008

    • 著者名/発表者名
      高橋潤, 高木雅哉, 外岡武士, 川村将郎, 豊原治彦
    • 学会等名
      マリンバイオテクノロジー学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2008-05-25
  • [図書] Biotechnology of Marine Invertebrates-Recent Advances in Shrimp and Shell Science"in"Fisheries for Global Welfare and Environment2008

    • 著者名/発表者名
      Haruhiko Toyoharara, 他7名
    • 総ページ数
      222-239
    • 出版者
      Terra Scientific Publishing Company (Tokyo)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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