研究課題/領域番号 |
18380126
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
児玉 正昭 北里大学, 水産学部, 教授 (40050588)
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研究分担者 |
佐藤 繁 北里大学, 水産学部, 助教授 (20170748)
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キーワード | Alexandrium tamarense / PSP生産菌PTB-1 / protease消化 / 抗STXウサギ抗体 / ELISA |
研究概要 |
Alexandrium tamarenseより分離し継代培養しているPSP生産菌PTB-1を50リッター培養して菌体を集めた。次にこれをリン酸バッファーで抽出してタンパク抽出物を得、これを市販の非特異的proteaseで加水分解した。次に分解物を限外ろ過してproteaseおよび残存するタンパク画分を除き、低分子化した分解物を抗STXウサギ抗体を用いるELISAに付した。この際、分解ごとにELISAとの反応が異なり、安定した結果が得られなかったので、proteaseによる消化操作を繰り返し、安定した結果が得られる条件を検討し、3回のprotease消化で安定した値が得られることが判明した。次に、得られた分解物の一部を用い、フォトダイオードアレイ検出系付HPLCを用いてELISAに反応する成分の分離を試みた。カラムにはODSカラムを用いたが、UVで検出したところ予想したとおり、多くのピークが広い範囲に出現した。これはprotease消化により分解の程度が異なる種々のタンパク分解物が生成していることを示すものである。溶出液を1mlずつ分取しこれら全てをELISAに付したところ、一部の範囲の溶出部位に抗体反応のピークが認められた。抗体に反応を示す溶出部分には多くの物質が存在することがUV検出によるピークから明らかであり、本方法で抗体に反応する成分を単離することは困難と思われたので、同成分の精製にタンパク質の分離に用いられる免疫沈降法を導入したところ、一回の操作でHPLC上数成分にまで精製できることが明らかになった。以上の結果はPSP生産菌がSTXに対する抗体に結合する物質を構成成分とするタンパク成分を持つことを示唆する。
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