研究分担者 |
志賀 永一 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (50235511)
東山 寛 北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (60279502)
佐藤 了 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00299778)
小林 一 鳥取大学, 農学部, 教授 (40225529)
柳村 俊介 宮城大学, 食産業学部, 教授 (80183979)
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研究概要 |
本研究は,(1)典型的な経営形態(水田作,畑作,酪農,園芸作),(2)農業の地域性(遠隔:北海道・東北,大消費地近郊:関東,中山間:中国),(3)農業環境規制・施策(畜産環境対策,産地リスク管理,エコファーマー,認証制度,農地・水・環境保全向上対策等)という3つの領域を設定し,課題への接近を図ることとしている。平成18年度は北海道・東北の水田作経営,北海道の畑作経営,北海道の畜産経営を中心とした実態調査をおこなった。北海道の水田作経営では,1990年代後半以降の収益性の低下のもとで,多様な米生産の方向が模索されている。例えば,2000年度に創設された北海道の認証制度「Yes! clean」を活用した米・青果物の組織的取り組みがかなり広汎なかたちで展開しており,持続的農業の経済性をめぐる具体的な検討をおこなった(調査地域:空知地域)。併せて,モデル事業がスタートした「農地・水・環境保全向上対策」に関して事例調査をおこなった。東北の水田農業は,農政改革のもとで担い手育成と「持続可能な地域営農」の仕組みづくりを模索しており,「集落営農」の組織化方策と管理運営をめぐる課題の摘出をおこなった(調査地域:青森,秋田,福島)。北海道の畑作経営では,規模拡大に伴う新たな土地利用方式の確立を基本線としており,休閑緑肥の導入について統計・実態の両面から検討した(調査地域:十勝地域及び北見市)。併せて,品目横断対策への移行に伴う影響試算を収益性の面から検討した。北海道の酪農経営は,「高投入集約型」と「低投入持続型」への分化が進んでおり,いわゆる「メガ・ファーム」も含めた前者のタイプにおけるふん尿処理問題を統計・実態の両面から検討した(調査地域:十勝地域,標茶町,せたな町)。また,本年度は先進国・東アジア農業との比較研究という観点から,CAP改革下における農業環境政策(ドイツ,フランス),WTO加盟下において「高付加価値農業」の展開を志向する台湾の認証制度(CAS・GAP)に関する調査も併せて実施した。
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