研究分担者 |
霜浦 森平 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 助教 (40372354)
新開 章司 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30335997)
佐藤 和憲 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, チーム長 (80355601)
藤田 武弘 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (70244663)
高橋 克也 農林水産省農林水産政策研究所, 評価・食料政策部, 主任研究官 (20371015)
|
研究概要 |
1.各地域の消費者直売型流通の展開形態を商圏の拡がり方という視点から比較分析した。出荷者、消費者それぞれの参集範囲について地域間比較すると,アジア諸国、欧州は出荷者の参集範囲が狭いのに比べ,アメリカでは極めて広いことが明らかになった。消費者の参集範囲は各地域ともさほど広くないが,日本の消費者の参集範囲が相対的に広いことが確認された。また,欧米諸国では消費者の属する都市コミュニティに関連した取り組みとして直売型農業が評価されやすいのに比べ,アジア諸国は出荷者の属する農村、産地コミュニティの発展に寄与する取り組みとして直売型農業を評価する傾向が強いことも明らかになった。 2.対象地での実態調査を継続するとともに,消費者直売型農業の国際比較のために設定した3つの視点毎に,これまでの調査結果を整理した。今年度までに得られた知見は以下のとおりである。(1)農業生産構造:マーケット全体としての品揃えを要求されるため,多様な品目を出荷できる複合農業が展開している地域で直売型農業は成立しやすい。(2)市場、社会条件:どの地域でも量販店と競合関係にあるが,先進国ほど量販店主導の流通システムとは異なるオールタナティフな生産、流通システムとして直売型農業を評価する傾向が強い。(3)政策:直売型農業の実践に関わる政策、規制は国、地域によりかなり異なり,簡単に比較できない。しかしどの地域でも安全性や加工技術に関しては何らかの規制を行っており,出荷者もその遵守を求められている。また,多くの国の自治体レベルで直売型農業を支援するプログラムが整備されつつある。
|