研究課題/領域番号 |
18380132
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
末原 達郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (00179102)
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研究分担者 |
秋津 元輝 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00202531)
廣岡 博之 京都大学, 農学研究科, 教授 (60192720)
重田 眞義 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (80215962)
杉村 和彦 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (40211982)
落合 雪野 鹿児島大学, 総合研究博物館, 准教授 (50347077)
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キーワード | 文化としての農業 / 文化資源 / 生物資源 / 地域社会 / 在来品種 / 経済原理 / 都市と農村 / 比較研究 |
研究概要 |
本研究では、第一に、地域社会における生物資源の存続をおこなうためには、経済原理だけではない別の価値基準が必要であり、それには「文化として農業」をとらえることが重要であり、かつこの概念は、日本以外の他の社会の研究や比較研究にも有効であることを示した。また、文化資源と生物資源との密接な結びつきを明らかにした。第二に、日本各地域、中部・北陸、近畿、中国・四国、九州・沖縄の各地域で、地域社会において生物資源の存続を行なっている例、特に在来品種の農産物や家畜生産の実態調査を行ない、現在存続している生物資源を保全するには何が問題であるのか、また地域社会の中で存続を可能にするのは何か、今後はどのような手段が必要とされているのか、等を具体的に分析し明らかにした。第三に、地域社会における生物資源の存続をするために、世界各地で行なわれている試みを、日本のシステムと比較した。特にアメリカおよびフランスの行なっているシステムと比較した。日本の地域社会においては、生物資源、特に在来品種の野菜や家畜について、地方自治体を単位とする存続の方法があり、それが市町村、都道府県、さらに国立の機関へと接合している。農業生物資源に関しては、豊かな蓄積と分配のシステムがある一方で、地域社会の中での存続には、地方自治体の協力が必要不可欠なことが明らかになった。また、日本各地の在来品種の保存と利用のためには、農村部だけではなく都市部および巨大都市圏との連携と利用が必要であることがわかった。
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