研究課題/領域番号 |
18380139
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
水谷 正一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70093143)
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研究分担者 |
小林 久 茨城大学, 農学部, 准教授 (80292481)
森 淳 (独)農業・食品産業技術照合研究機構, 農村工学研究所, 室長 (10414418)
小出水 規行 (独)農業・食品産業技術照合研究機構, 農村工学研究所, 主任研究員 (60301222)
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キーワード | 農業工学 / 環境技術 / 生物多様性 / 安定同位体 / DNA解析 |
研究概要 |
・ポスト環境修復段階における食物網、栄養段階の変化(担当:水谷、小林、森) 谷津田地域においてニホンアカガエルの移動生態を検証した。これは卵塊のδ13Cを用いた先駆的な取り組みである。その結果、90%以上の親ガエルが里山に移動して採餌していることが明らかになり、水路整備など負のインパクトに対する環境修復の必要性が定量的に把握された。傾斜付き水路を施工した圃場整備地区でカエル相の壊滅的な劣化が進んでいることが明らかになり、施設単体の効果とともに施工数量・施工位置等設計段階で解決すべき課題があることを示した。水田魚道の設置が水田内の動物プランクトン相に影響を与える可能性を示し、環境修復にあたっては餌資源量に直結する営農法を確立する必要があることが明らかになった。 ・開発された遺伝子マーカーによるメタ個体群の空間構造の把握(担当:小出水、水谷) 栃木県下のホトケドジョウ個体群を対象にミトコンドリアD-loop領域及びマイクロサテライトDNAによる遺伝特性を分析している。D-loop領域の分析では、小貝川、大川、谷川サンプルについて北関東集団に属する17ハプロタイプを確認した。マイクロサテライト分析では、小貝川と荒川において分析サンプルを採捕し、分析に利用可能な10マーカーを選定した。これらのサンプルを予備的に解析した結果、対立遺伝子数は平均4.8〜5.9、ヘテロ接合度の観測値と理論値はそれぞれ平均0.583〜0.755と0.552〜0.699となった。小貝川-荒川における個体群の遺伝的分化はFst=0.129〜0.169と推定され、水系の違いによる遺伝的差異が確認された。
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