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2006 年度 実績報告書

農業水施設のライフサイクルコストを考慮した予防保全技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18380142
研究機関京都大学

研究代表者

小林 晃  京都大学, 農学研究科, 助教授 (80261460)

研究分担者 青山 咸康  京都大学, 農学研究科, 教授 (20026561)
木山 正一  京都大学, 農学研究科, 助手 (20293920)
山本 清仁  京都大学, 農学研究科, 助手 (60362430)
キーワードため池 / 決壊リスク / GIS / ライフサイクルコスト / 非破壊検査 / 打音法 / 電磁波 / 弾性波法
研究概要

1)既存の水利施設の修復事例の調査および過去の災害における損害経費の調査2004年台風23号により淡路島で決壊したため池を対象にした調査を行った。ため池台帳を基本としたデータベースとレーダーアメダス,地形情報データ,マルチスペクトル衛星画像をGISで処理して,判別分析により決壊の予測式を確立した。これにより越流決壊のようなメカニズムが複雑な現象の決壊予測が可能となった。また,被害の査定額情報とため池データベース情報を用いて,重回帰分析により被害の損失期待値予測式を求めた。農業生産停止に伴う損害予測をデータベースからの受益地面積と淡路島の単収平均値および全国の平均単価から予測した。
2)LCC算定のためのリスク解析
以上の決壊予測式,損失期待値予測式を用いて,個々のため池の決壊による年間リスクを予測した。また,ため池堤体自体の劣化はないものとし,実効降雨の年発生確率を測候所の30年間のデータから算出し,長期にわたる決壊確率の変化を計算する手法を開発した。これにより,リスクの経年変化も解析することができるようになった。さらに,ため池のライフサイクルコストを最小化する例として天端拡幅工事による改修による決壊確率の低減を考慮した計算法を示した。
3)非破壊検査からダメージパラメータを抽出する手法についての検討
コンクリート製の水利構造物の非破壊検査手法として有効な打音法の基本的特性に与えるコンクリート中の水分の影響を調べる実験的検討を行った。その結果,水分によって弾性波速度および卓越周波数が変化することをしめした。また,土構造物の非破壊検査手法として,電磁波を用いた地中レーダーの新しい解析手法を提案した。これにより,内部が比較的均一な土構造物においても地中レーダーによって,内部水分状況を推定できることを示した。さらに,同様の手法を簡易な弾性波試験法にも適用することにより,土構造物の内部推定が弾性波でも安価で実施できることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 弾性波および電磁波を用いた土構造物の非破壊検査2007

    • 著者名/発表者名
      小林晃, 山本清仁, 柳本智也, 青山咸康
    • 雑誌名

      材料と施工 45

      ページ: 31-39

  • [雑誌論文] GISと高分解能衛星画像DEMを用いたため池決壊の要因分析2006

    • 著者名/発表者名
      山本裕介, 小林晃, 青山咸康
    • 雑誌名

      平成18年度農業土木学会講演要旨集

      ページ: 58-59

  • [雑誌論文] 電磁波と電気探査によるため池漏水状況の推定2006

    • 著者名/発表者名
      柳本智也, 小林晃, 山本清仁, 青山咸康
    • 雑誌名

      平成18年度農業土木学会講演要旨集

      ページ: 808-809

  • [雑誌論文] ため池の越流破壊メカニズム2006

    • 著者名/発表者名
      藤沢和謙, 桃木昌平, 山本清仁, 小林晃, 青山咸康
    • 雑誌名

      応用力学論文集 9

      ページ: 385-394

  • [雑誌論文] 粒子法を用いたため池堤体の越流破壊の解析2006

    • 著者名/発表者名
      中淵大輔, 青山咸康, 小林晃, 藤沢和謙
    • 雑誌名

      第61回土木学会年次学術講演会概要集

      ページ: 855-856

  • [雑誌論文] ため池堤防越流破壊に関する実験的検討2006

    • 著者名/発表者名
      桃木昌平, 藤沢和謙, 小林晃, 青山咸康
    • 雑誌名

      平成18年度地盤工学研究発表会講演集

      ページ: 1259-1260

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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