研究概要 |
平成18年度は,2次元平面から3次元空間,単粒から群粒へと研究対象を拡張し,それらの現象を解明するため,現有の選別用唐箕を用いて,複数の条件下で風選別実験を実施した.その際,新規購入した高速度カメラ(Photron・EASTCAM1024PCI)を用いて,2方向からの撮影が可能となった. その結果、以下なような知見が得られた。 1.選別風を受ける籾・藁の混合群,籾群,藁群の飛散現象を高速度カメラで撮影し,撮影した画像を用いた画像処理システムを新たに構築し,各群粒の飛散範囲の把握が可能となった. 2.流体の測定方法として採用されるPIV解析により,選別風を受ける籾・藁の混合群,籾群,藁群の飛散速度の測定を行った.空隙率を算出し,穀粒群に作用する抗力を計算する際に必要な補正係数を導出した. 3.1,2の撮影時には,選別用唐箕の正面および側面からも同時に撮影し,2方向からの現象を把握することができた.側面方向から撮影した画像を用いて穀粒群の飛散軌跡やPIV解析による飛散速度を測定し,空間的な現象を把握できた.今後,シミュレーション結果との比較検証を行い,3次元の飛行シミュレーションの改良を行う. 4.レーザードップラ流速計,PIV解析を用いて,穀粒群を通過する選別風の風速測定を実施した.穀粒流下量の違いによる風速,風向,乱流構造を明らかにした.
|