研究概要 |
流体解析数値(CFD)シミュレーションを通じて温度差を用いたグリーン・ウィンド発生について検討した.実験室レベルのモデル実験を実施して,CFDシミュレーションの結果と比較し、CFDシミュレーションの信頼性について検討した。CFDシミュレーションとモデル実験で使われた緑化パタンーは非緑化(NG)、50%上部緑化(50UG)、50%下部緑化(50LG)、2分割50%上部緑化(25G)の4つで、緑化の有無と空間によって異なる温度(緑化面は31度、非緑化面は50度、空間は33.5度)を想定した。CFDシミュレーションとモデル実験の結果を比較したところ気流パタンーについてはほぼ一致した。NGの場合、実験では,モデルに近づいてから上昇する器量パタンーが観察された。50LGでは二種類の上昇気流パタンーが観察された。50UGでは温度差による上昇する場合と下降する場合の2つの気流パタンーが観察された。25Gの場合、50UGより多様な上昇と下降気流のパタンーが観察された。 多様な緑化パタンーにより生ずる温度差を用いて滞留している空気を不安定化して周辺に気流を発生させることが可能であることが認められた。すなわち、そのような気流を発生させるための緑化条件をグリーン・ウィンドを起こすことができる条件と考えることができる。 ニューラルネットワークを用いた逆解析を通じて緑化パターンによる周辺の気流の制御について検討した.緑化パターンと温度差による20種類のCFDシミュレーションパターンとそれから周辺の温度と気流変化に対する結果をニューラルネットワークの逆解析モデルのトレーニングのための入力と出力データとして使用した。ニューラルネットワークの逆解析モデルから0.3m/sの上昇気流を誘導することができる壁面緑化パタンーを予測した.モデル実験の結果、ニューラルネットワークの逆解析モデルが与えた3m/sの風速に近い0.29m/sの上昇気流が実際に測定された。このように研究目的はほぼ達成できた.
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