研究概要 |
温暖化の進行とともに寒地型牧草は適作地が北上し牧草生産に大きな影響が出ることが予測されている。本研究では,イネ科寒地型牧草間の高温ストレス耐性の差異を熱ストレス下で発現するヒートショック蛋白質(HSP)との関係で解明を行った。その結果,どの種でも高温にさらされるとHSPの合成が短時間で行われるが,寒地型牧草種間の高温ストレス耐性の種間差をHSPだけでは説明できなかった。高温ストレス傷害は,高温下で発生する活性酸素種による酸化ストレスが原因であることが実験から示され,HSPの機能である損傷分子の修復以外に活性酸素種の生成を抑えることも重要であることがわかった。
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